相模原障害者殺傷事件を取材して、押しつぶされそうな気持ちになった記者がぷかぷかにきて元気を取り戻した、という話が「47news」に載りました。気持ちが前向きになるとてもいい記事です。
中に「たいこん」の話があります。パン屋で売っていた大根のラベルが「たいこん」と書いてあって、思わず笑ってしまった時の話です。私はこういう文字を書くぷかぷかさんが大好きです。気持ちがゆるっと緩むのです。こういうときは訂正なんかしません。
「あっ、これって、大根じゃなくて、“たいこん” なのね」
「よし、今日は “たいこん” でいこう」
って感じです。こういう楽しさをぷかぷかさんはいっぱい作ってくれます。だから彼らと一緒に過ごす日々が楽しいのです。
そういう日々を積み重ねること、そういう日々を発信し、たくさんの人と共有すること、それが相模原障害者殺傷事件を超えることだと思います。
難しい議論を積み重ねることも大事ですが、なかなか先が見えません。でも、「たいこん」は、ひと言で重い事件を飛び越えていきます。
大事なことは、障がいのある人もない人も、お互い気持ちよく生きていける社会を具体的に作り出すことです。“たいこん”は、そのための鍵がどこにあるかを教えてくれます。
たまたま「たいこん」のあった日、お客さんがやってきました。
「この大根ください」
「すみません、これ大根じゃなくて “たいこん” なんですが、よろしいですか?」
「ああ、“たいこん” ね。じゃ、それください」
って、お客さんは笑っていました。
多分いつもきているお客さんで、ぷかぷかの楽しさ、センスをよく知っている方だったのだと思います。
「ああ、“たいこん” ね」
とやさしく言葉を返してくれる関係。一緒に “たいこん” を楽しめる関係。そういう関係を日々の営みの中で作っていくこと。それが事件を少しずつ超えていくのだと思います。