ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

友達大作戦は、夢みたいな話を実現するプロジェクト

 「かずやしんぶん」の話です。          

                             f:id:pukapuka-pan:20210511155129j:plain

 「かずやしんぶん」は地域社会を耕すしんぶんです。かずやさんの自立生活が、施設を出てアパートで暮らす、といったことだけにとどまるのではなく、地域社会を耕す、といったことにまで広がるといいなと思っています。重度障がいのかずやさんが地域で暮らすことが、そのまま地域社会を変えることになる、というわけです。そのためには地域の人たちと様々な関わりを持つ、様々なメッセージを発信する、そういったことが大事です。「かずやしんぶん」はそんな活動の一つです。

 ぷかぷかは、障がいのある人たちがお店で働いている、というだけでなく、地域社会を柔らかく耕してきました。ぷかぷかは創設以来地域社会とのいろんな関係を積極的に作ってきました。ぷかぷかさんたちとの楽しいおつきあいの中で、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れ、地域社会が明らかに変わってきました。障がいのある人たちを排除してしまうことの多い社会全体の雰囲気を考えれば、彼らのことが好き!という人たちが現れたことは画期的です。

 障がいのある人たちは、あれができないこれができない人たちではなく、「彼らは地域社会を耕し、地域社会を豊かにする存在」というふうにぷかぷかはいいます。それは彼らのおかげで地域社会が変わってきたという実感から出てきた言葉です。

 彼らが地域にいるというのは、そのことで地域社会が変わることだと思います。そういったことがかずやさんの場合もできないだろうか、と思うのです。「重度障がいの人が地域で暮らすと地域社会が変わってくる」なんて素敵じゃないですか。

 夢みたいな話です。友達大作戦は、その夢みたいな話を実現するプロジェクトです。「かずやしんぶん」は、その実現のための一つの重要なツールです。

 出発点は、かずやさんの大声に対する苦情にどう向き合っていくのか、というところでしたが、プロジェクトを進めているうちに、これは重度障がいの人が地域で暮らすことの意味を深く問い直すことにつながることに気がつきました。

 

   f:id:pukapuka-pan:20210511213421j:plain

 

 第1号では、かずやさんがどういう人か、どうしてここで暮らしているのか、といったことを書いています。いってみれば自己紹介号です。かずやさんの家の周りにあいさつ方々配布します。一回で終わるのではなく、ぷかぷかしんぶんのように定期的に発行し、かずやさんの自立生活がリアルタイムで伝わるようにします。あなたの近所にこんな人が暮らしていますよ、というメッセージです。今週はこんなおもしろいことがありました、こんな料理が気にいりました、こんなおもしろい人が訪ねてきました、今度お茶会やります、餅つきやります、といった楽しい話をたくさん載せていきます。

 かずやさんの自立生活を伝えるホームページも立ち上げます。かずやしんぶんよりもはるかに詳しくかずやさんの自立生活を伝えます。写真をとって、こんなことがありました、あんなことがありました、と日々の出来事をどんどんアップしていきます。それを見るだけでかずやさんの自立生活がリアルに伝わります。

 

           f:id:pukapuka-pan:20210512001121j:plain

    

 若い介護スタッフの人たちには日々の思い、気づきをホームページのブログに書いて欲しいなと思っています。かずやさんを介護することで、日々どんなことを感じているのか、どんな気づきがあったのかを書いて欲しいのです。大変なことも多いと思うのですが、それでも日々かずやさんと接していれば、大変さを超えて、楽しいこと、笑っちゃうこともたくさんあると思います。何よりも人が生きる上で教えられるものもたくさんあるのではないでしょうか。そんなことを飾ることなく、気軽に書いて欲しいと思うのです。すぐ忘れてしまうような気づきを書いて残しておくと、それは自分の財産になります。

 社会の多くの人は、重度障がいの人たちのことを知りません。どんな生活をしているのかほとんど知りません。彼らの生活を介護するなんて大変だろうな、というイメージだと思います。そんな人たちに向けて、今日こんなことで笑っちゃいました、こんな楽しいことがありました、といったメッセージは、彼らを見る社会の目を確実に変えていきます。

 メッセージを読むのがだんだん楽しくなって、ひょっとしたら「あ、私もやってみようかな」って思う人が出てくるかも知れません。かずやさんでおもしろい!っていうファンが現れるかも知れません。「かずやさんみたいな人、地域にはいた方がいいね」って思う人が少しずつ増えてくるかも知れません。地域社会を耕す、というのはそういうことです。

 「障害者はいない方がいい」というメッセージを発信したやまゆり園事件は、こうやって地域の人たちと一緒に乗り越えていけます。

 友達大作戦、これからおもしろくなります。

 

 友達大作戦開始のキーポイントになるアイテムができ上がりました。

     f:id:pukapuka-pan:20210512131402j:plain     

                  f:id:pukapuka-pan:20210512131814j:plain

                 f:id:pukapuka-pan:20210512132508j:plain

 

  近々大声で迷惑かけている方のところへ、「かずやしんぶん」とこのアイテムを持ってあいさつに行く予定です。もちろんかずやさんも一緒です。かずやさん、その時にまた大声出さないとも限らないので、まさにハラハラしながらの友達大作戦です。

 友達大作戦の始まりはこちら

www.pukapuka.or.jp

 

 

 7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「あなたととなりのかずやさん」をテーマに上映会とトークイベントをやります。社会にはいろんな人がいた方が楽しいねって思えるような映画と、そういったことを話し合うトークイベント。トークイベントでは友達大作戦の経過報告もします。友達大作戦、こんなこともやるとおもしろいよ、といったアイデアも募集します。かずやクッキーも販売します。

来なきゃソン!

f:id:pukapuka-pan:20210501170356j:plain