ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

そうした人々に、どんなまなざしを向けられるのか

やまなみ工房の映画「地蔵とリビドー」について書かれたすばらしい論評。映画を語りながらも、「特別」でない人へも思いを向ける姿勢がすばらしい。

 

《人の数だけ、暮らし、そして人生があります。現実には、全ての障害者がアート作品を生み出せるわけではありません。そうした人々に、どんなまなざしを向けられるのか。このことをこそ、映画から問われている気がします。》

 

 私たちは、すばらしいアートを生み出す人たちに、ついつい心を奪われてしまいます。でも、そういうものを生み出さない人たちもたくさんいます。その人たちにどんなまなざしを向けられるのか、ということ。

 何も生み出さなくても、その人がいること、その人がその人らしくそこで生きていること、そのことを素直に喜べる人間になりたいと思うのです。そのためには、どこかでその人に出会う。あーだこーだの理屈でなく、出会うのがいちばん。

 何度も紹介している、昔担任していたシノちゃんは、暴力ばかり振るって、何も生み出さない人でした。殴られ、蹴られで、ぼこぼこの毎日でした。それでも私はシノちゃんが好きでした。時折遠くを見つめ、ふっと笑うシノちゃんの横顔を見ると、もう心がキュンとなって、ぼこぼこにされた毎日もすべて許してしまいました。

 出会うことは、許すことかも知れません。だから、その人がそこにいること、その人がその人らしくそこで生きていること、そのことを素直に喜べる瞬間なのかもしれません。

 

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