ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

この人たちの、こんな世界が、社会を豊かにしてくれます。

 わんどで誰かの似顔絵を描いたり、自画像を描いたりしました。

 

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なんて楽しい人たちなんだと思います。

 

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こういう世界が私たちのすぐそばにあることを幸せに思います。

 

 

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こんな世界を持っている人たち、本当に大事にしたいです。

彼らのそのままを大事にしたいです。

ずっと一緒に生きていきたいです。

この人たちの、こんな世界が、社会を豊かにしてくれます。

こういう絵が社会の中に散らばっていくと、社会はもっと楽しく、もっとゆるやかになります。お互いがもっともっと生きやすくなります。 

相模原障害者殺傷事件を起こすような病んだ社会には、こういう絵こそ必要なんだと思います。この人たちの世界が、病んだ社会から私たちを救い出してくれるように思うのです。

ぷかぷか7年目を迎えてーその①

 障がいのある人達といっしょに生きていきたいと2010年4月「ぷかぷか」を立ち上げました。あれから7年がたちます。

「ああ、もう7年もやってきたんだ」

という思いです。

 この7年でぷかぷかは何を作り出してきたのかを少しずつ書き出していきたいと思います。

 

 ぷかぷかが目指しているのは(目的・ミッション)

①障がいのある人達と一緒に、お互い気持ちよく生きていける社会を実現する

②健康な命を、未来に引き継ぐ

の二つです。

 それを実現するためにパン屋、お惣菜屋、カフェ、アートスタジオを運営しています。これは障がいのある人達の働く場の運営です。

 

 

 ぷかぷかでは「彼らの働く場」が「彼らと一緒に働く場」「一緒に生きる場」になっています。そこにぷかぷかの独自性、オリジナリティがあります。

 ぷかぷかのミッションをお店で実現しているのです。そしてそのことをお店の中に閉じ込めるのではなく、日々ネット上に発信し、たくさんの人たちと共有しています。ホームページのアクセス数は186,000を超え、ぷかぷか日記のアクセス数は191,000を超えます。それくらいたくさんの人とぷかぷかが創り出してきたものを共有できたということです。 

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 街の中に彼らの働く場を作ったのは、街の人達に彼らに出会って欲しいと思ったからです。彼らの魅力に出会って欲しいと思ったからです。

 たくさんの素敵な出会いがあり、「ぷかぷかが好き!」とか「ぷかぷかのファンです」という人達が現れました。障害者、というとなんとなくいやだなと思う人の多い社会にあって、彼らが働くお店が好き!彼らのファン!という人が現れたのは、画期的なことだったと思います。

 「彼らの働く場」が「障がいのある人達に出会う場」「ファンを作り出す場」になっているのです。ここにもぷかぷかの独自性、オリジナリティがあります。お店を運営することで、ミッションを少しずつ実現しているのです。

 

 「地域社会を耕してきた」という言葉も使いました。ぷかぷかは街の中に彼らのお店を作ることで、地域社会をやわらかく耕してきたのです。豊かにしてきた、といってもいいでしょう。お子さんの誕生日会で、メンバーさんといっしょに写真を撮りたい、と言って下さったお客さんのリクエストで撮った写真です。

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 もう一つ大事なことは、彼らの働くお店を運営することと平行して、地域の人達とのおつきあいをもっともっと深めようと、「パン教室」「運動会」「演劇ワークショップ」「アートワークショップ」を行っていることです。

 「パン教室」「運動会」はお店のお客さんと従業員という関係を超え、一緒にその日一日を楽しむ関係を作り出しました。一緒にその日を生きる関係といってもいいと思います。

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 「演劇ワークショップ」「アートワークショップ」は「一緒に新しいものを創り出す場」になっています。新しいものは、新しい「文化」といっていいほどのものです。

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 何よりも、あれができない、これができないといわれ続けてきた彼らと、新しいものを一緒に創り出す「クリエイティブな関係」ができたことはとても大きな意味合いを持つと思います。彼らといっしょに生きていくと、今までにない新しいものを創り出すことができる、ということです。これは、社会が豊かになる、ということです。

 あれができない、これができないといわれ続けてきた彼らといっしょに生きると、社会が豊かになる。ステキなことだと思いませんか?

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 お店をただ単に「彼らの働く場」にとどめていたら、こんなにも豊かなものは生み出せませんでした。そこにこそ「ぷかぷか」の独自性、オリジナリティがあり、「ぷかぷか7年」という重みがあるように思うのです。

  

仕事は面白いもの  仕事は人生を支えるもの

 先日書いた『生産することのむつかしい障がいのある人とどう向き合っていくのか』に福祉事業所で働く当事者「謎解き」さんからまたコメントがつきました。 

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コメント読んでいただきありがとうございます。ですか、私の言いたいのは、ぷかぷかのやり方が間違いとかセノーさんが悪いとかそういうのではなく就労継続Bとしてどうあるべきかということなのです。私は、ぷかぷかの考えが間違いだとは思いませんが就労継続Bと言うのはやっぱり就労を目指す人ための施設だと思います。けしてセノーさんが社会に適用しないとか言っているのは、なく就労継続Bでは、難しいのでは、と言っているのです。確かに今の社会は、何か正しく何か間違いとかは、わからなく曖昧なところがありますが私が本当に悪いのは、セノーさんが前に利用してた作業所だと思います。なぜなら作業所ゆったり仕事したりあまり動けない人を受け入れ施設だと思うのです。私の書いたコメントが不愉快に感じてしまったのでしたら済みませんでした。それから私は、やまゆり園の犯人が言って言っていた事は、本当に許せません。障害者いない方が良いとか言語道断だと思います。言葉は、悪いですが障害者は、いない方が言っている犯人がいない方が良いと思います。誰でも生きる権利は、ありますし、誰にも人の未来を奪う権利は、ありません。あなたの考えは、素晴らしいことだと思います。

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 「謎解き」さん、コメントありがとうございます。

 仕事というものについて私が思っていることを書きます。(以前どこかで書いたものですが、あらためて書きます)

 養護学校の教員をやっていたとき、卒業生が時々訪ねてきました。いろんな話をしに来るのですが、一番多かったのは仕事が辛いという話です。それに対し、

「仕事は辛いもんだよ」

とか、

「お金もらってるんだから、辛さも我慢しなきゃ」

といった答え方をしていました。その頃の私の仕事観をそのまま反映しているような答えでした。

 今思うと、仕事観がすごく貧しかった、と思います。そう思うようになったのは、ぷかぷかを始めてからです。

 ぷかぷかを始めて2年くらいたった頃、ぷかぷかで働いているみーちゃんという方の認定調査がありました。みーちゃんはぷかぷかに来る前は地域作業所で働いていました。のんびりした作業所で、こんなことでいいんだろうかと25歳の時、ぷかぷかに移ってきました。仕事のペースも違い、来た当初はかなりきつかったのではないかと思います。みーちゃんはクッキーを作っていたのですが、仕事を徐々に覚え、材料、道具の準備から、クッキーの製造まですべて自分でできるようになりました。ちょうどその頃に認定調査があったのです。認定調査というのは、障がいがどの程度で、どの程度フォローが必要かを調べる調査です。

 ケースワーカーさんが

「最近、お仕事はどうですか?」

という質問をしました。

「以前は毎日うつむいて仕事をしていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています」

 私はそばで聞いていてびっくりしました。仕事というのはぷかぷかで働くメンバーさんにとっては人生を支えるほどのものであることに、この言葉で初めて気がついたのです。

 仕事は人生を支えるもの、そんな当たり前のことに、メンバーさんの言葉で気づかされたのです。「仕事は辛いもの」では、人生が辛くなります。仕事が楽しいと、みーちゃんのように「まっすぐ前を向いて生きています」という言葉が出てくるのです。

 仕事をやる中で「まっすぐ前を向いて生きています」なんてなかなか言えない言葉です。ふつうのサラリーマンが、一体どれだけこんな気持ちで働いているでしょう。それを考えると、みーちゃんのいった言葉がどれほどすごいものであったかがわかると思います。

 ぷかぷかに見学に来られる多くの方が、

「ここは明るいですね」

と感想を言われます。それはみんなが仕事を楽しんでいるからです。セノーさんも含めて、です。セノーさんも仕事するときはするのです。いつも寝っ転がってるわけではありません。

 いつもいつも笑い声が絶えません。

「え?みんな笑いながら仕事しているの?そんなことでいいの?」

と思われる方もいらっしゃると思いますが、一日の大半を占める仕事を楽しくやってこそ、人生が楽しくなるのだと思います。仕事が楽しいと自然に笑い声が出てきます。

 ぷかぷかは帰りの会で

「いい一日でしたか?」

という質問をします。仕事を通していい一日を作り出すことをぷかぷかは大事にしているからです。いい一日は、仕事を楽しむことで生まれます。

 つまり、ぷかぷかは就労継続支援の事業所として、

 ・仕事は面白いもの

 ・仕事は人生を支えるもの

という二つの大事なことを仕事を通して教えている、というわけです。これは仕事というものの一番大事な部分だと思います。そういうことを身につけた人こそ、将来、一般就労についてもいい仕事ができ、いい人生が送れると思います。(「仕事は辛いもの」とか「仕事は我慢してやるもの」なんて考えている人は、将来、いい仕事なんてできません。)

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 昔担任していた生徒がぷかぷかにやってきたことがあります。一般就労した生徒で、それなりの給料をもらい、貯金も300万くらい貯めたといっていました。理想のコースを歩んでいるといっていいくらいです。でもいろいろ話を聞いてみると、彼は本当に幸せなんだろうかと思いました。

 ふだんは仕事に追いまくられ、たまの休みには打ちっ放しのゴルフにいくそうです。

「楽しい?」

「いや、別に」

なんとも淋しい答えでした。ほかにやることがないから行ってるけど、別に楽しいわけではない、と。

貯金が300万円もあるというので

「何に使ったの?」

「イタリアにサッカーを見に行きました」

イタリアまで行くのに約30万円。

「残りのお金はどうするの?」

「別に考えていません」

なんとなく貯めてるというわけです。

 一般就労することが最大の目標のようにこの業界ではいわれていますが、じゃあ、その中身はどうなのかを見ていくと、こんな感じなのです。もちろんみんながみんなこんな感じではないと思います。一般就労した方で幸せな人生送っている方もたくさんいると思います。でも、給料がいい分、仕事がきついことは確かです。自分を殺さねばやっていけないところもたくさんあると思います。余暇の時間だって、きちんと取れるわけではありません。そんなことを考えていくと、最終目標として漠然と一般就労を目指してがんばる、といったことがなかなか出てこないのです。

 それよりも

「今日という一日、仕事を楽しんで、いい一日を過ごす」

方が、いい人生につながる気がするのです。ぷかぷかはそれを何よりも大事にしています。

 もちろん何かの機会に一般就労に結びつくことがあるかも知れません。それはそれで大歓迎ですが、それを目指して「訓練する」といったことは「ぷかぷか」はやりません。

 かけがえのない、今日という一日を大事にしたいからです。

 

 コメントをよこしてくれた「謎解き」さん、仕事、楽しんでいますか?毎日いい一日を過ごしていますか? 

 機会があればぜひ「ぷかぷか」にあそびに来て下さい。かしこまった見学ではなく、気楽にあそびに来るのがいいと思います。「ぷかぷか」って、そんな感じのところです。

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新しい挑戦ー企業活動のどこかにぷかぷかのアートを取り入れる

  「サービスグラント」というプロボノ活動をやっているNPOがあります。仕事をやりながら「社会的、公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を生かしたボランティア活動」をする人たちの集まりです。

 そこにぷかぷかのアートを企業に売り込む営業資料の作成をお願いしようと思っています。サービスグラントのホームページにはこんなふうに書いてあります。

「NPOにとって企業との連携・協働の実現は、重要な資金調達の方法であるとともに、NPOの活動を広げる貴重な機会となるものです。

 しかしながら、日々の実務に追われ十分な営業活動ができていなかったり、企業を訪問しても、なかなか連携・協働の実現につなげられずにいるNPOも少なくありません。
 営業資料支援プログラムでは、企業との連携・協働の実現に向けて、企業へのアプローチ手法の検討や、企業に魅力を感じていただけるような提案内容の検討を踏まえ、営業資料の作成を実践的にサポートします。 」

 以前神奈川県の主催で企業とNPOのマッチングを目指す集まりがあったのですが、何を、どう売り込んでいいのかよくわからなくて、結局マッチングはうまくいきませんでした。

 先日サービスグラントの2次審査のヒアリングを受けた際、「ぷかぷかの魅力・価値と課題を、外部目線で振り返り、再認識することが必要」といわれ、そこを出発点にして、ぷかぷかのアートを企業に売り込む戦略を立てようかと思っています。

 ぷかぷかと組むと企業のもうけにつながる、といった狭い話、短期的な話ではなく(もちろんそこは必要不可欠ですが)、もっと広く社会全体が豊かになることに貢献できる、といった話に持っていきたいと思っています。

 ぷかぷかのアートにはその可能性があると思っています。

 

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 ぷかぷかのアートはすごく楽しいです。ひと目で「あっ、おもしろい!」と、そのアートのおもしろさを納得することができます。なんか楽しい気分になったり、ほっこり心があたたまったり…。言葉によるくどくどした説明よりもはるかに説得力があります。

 この「あっ、おもしろい!」という発見をたくさんの人たちと共有したいと思うのです。世界をみんなでおもしろくしたいからです。こういうアートがあちこちにあると、世界が楽しくなります。世界が豊かになります。

 「あっ、おもしろい!」は企業の売り上げを伸ばします。有名デザイナーにはできない面白さがぷかぷかのアートにはあります。そのオリジナリティは大きな強みです。世界を楽しくするようなアートを採用する企業は、たくさんの人に受け入れられます。

「あっ、おもしろい!」は、その作品を作った人との出会いでもあります。こんなおもしろい作品は、どんな人が作ったんだろう、とたどっていくと、障がいのある人に行き着きます。素敵な作品の「作家」さんが、実は障がいのある人だった、と。彼らはこんなおもしろい作品を作るんだ、という発見、出会い。

 「あっ、おもしろい!」が、こんなふうに障がいのある人たちとのいい出会いをもたらします。彼らとの出会いは人間としての幅を広げ、人を豊かにし、社会を豊かにします。

 「あっ、おもしろい!」は、こんなアートは社会にあった方がいい、につながります。そしてこんなアートを作る人は社会にいた方がいい、いっしょに生きていった方がいい、と。

 アートとそれを作った人が、社会を豊かにしていきます。

 企業活動のどこかにぷかぷかのアートを取り入れると、こんなふうに社会を豊かにしていくことにつながっていきます。企業活動の最終目的は、社会を豊かにすることだと思います。未来を見つめる企業なら、自分のところのもうけを最終目標にするところはありません。

 企業がぷかぷかのアートを取り入れると、ぷかぷかが宣伝するよりも桁違いに多い出会いを作り出します。そこに企業との連携を作る意味があります。

 

 相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいない方がいい」といいました。ぷかぷかのアートは、そんな発想をひっくり返す力を持っています。企業がぷかぷかのアートを取り入れてくれると、その力が何倍にもなります。

 

 と、いろいろ書きましたが、いずれにしても2次審査に通らなければ何もはじまりません。それに向けてがんばりたいと思います。プレゼン資料などまとまりましたらまた報告します。

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社会の未来がかかった大事な問い

 3月31日に書いた「生産することのむつかしい障がいのある人に、どう向き合っていくのか」というタイトルのブログに、こんなコメントが寄せられました。

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 こんばんは、利用者側からの意見ですが、私の兄は多分ぷかぷかさんにはなじみにくいと思います。今、通所してるところは淡々と仕事をして出来高を求められるところですが兄には合っているようです。話を聞くとドヤ顔になります(笑)我が家にとっては助かっています。 兄の通う作業所は生産性と利益を求めるというカラーがあるのだと思っています。 もし兄がその方針に合わなくなれば辞めてさっさと違うところを探します(^^)v 記事にある通用しないと言われた支援者さんもどちらかというと生産性、出来高を求めるカラーの事業所の方ではないのでしょうか?自分が辞めさせたくないと思っても事業所の方針(カラー)がありそれに合わない方は他の人との兼ね合いとかもあって辞めて行かれるのもしょうがない。という意味でうちでは通用しないと言われたのではないでしょうか? 私は排他的な意味で言われたのではないと思いたいです^^ セノーさんは残念ながら前の事業所のカラーには合いませんでしたが、決して人として劣っていたわけではありませんでした。 ぷかぷかさんに出会えてご自分らしく生きられ、それだけでなく地域の方々までも幸せにするとい貴重な存在となりセノーさんの本来の魅力が開花しました。 なので私はぷかぷかさんのような事業所がもっと増えればいいなと思うのです。 ぷかぷかさんのような事業所ができれば出来ないと思われてた方が出来なくても人を幸せにすることが出来る存在だということが地域の方に言葉ではなく体験的に分かって頂けると思います。 ちなみにうちの兄は作業所では淡々と仕事をするクールなタイプのようですが地域に溶け込んでお年寄りや私の友人とも親しくなっています。私がありのままの兄をありのまま地域に送り出す勇気を持てたのはぷかぷかさんのおかげです。

 

もう一つ、ぷかぷかさんの凄い所は、ありのままを受け入れ自由な雰囲気と職場ではありますが生産性と利益も上がっているといるというところです。そうですよね?この部分の魅力を語ると又別のお話になるので辞めておきますネ^^

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 人は誰しも社会の中でみんなといっしょに暮らしていきたい、仕事をしたいと思っています。でも、どうがんばってもみんなとペースが合わなかったり、みんなといい関係ができなかったり、生産活動が苦手だったり、社会から要求されるものが理解できなかったりする方はいます。そういった方の受け皿として福祉事業所はあると思います。

 ですから「ぷかぷか」は社会の中でうまくやっていけなかった人でも働けるように、できるだけ間口を広げるようにしています。働くスタイルもいろいろです。

 話題になっているセノーさんの働くスタイルも、アリ!ということでやっています。セノーさんのような人とどうやってお互い気持ちよくやっていけるのか、どうやったらいっしょにこの社会を生きていけるのか、そのひとつの試みでもあるのです。

 生産することのむつかしい人の生み出す「価値」を、私たちがどれだけ見つけ出すことができるのか。社会の未来がかかった大事な問いだと思います。

 

 

 

テトの存在の価値は、 効率よくパンを生産することだけでは決してない……

オペラ『ロはロボットのロ』を見た方からこんなうれしいメールが来ました。

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みどりアートパークの「ロはロボットのロ」を観て
親子で魅了されてしまい、毎日毎日CDを聞いて追体験しています。
息子(新1年生)は全部の歌を覚えそうな勢いです。
物販コーナーで購入したテトのバッチをふたつ、
かわりばんこに服につけています。
 
「ロはロボットのロ」がきっかけで、「ぷかぷか」のことを知り、
ブログも拝見し、色々な事を考えるようになりました。
 
パン製造ロボットのテトが毎日1000個作れるはずのパンが
だんだん作れなくなった時。ママモンローがテトに
パンが作れなくてもいい、息子としてただ居ればいい、と
語りかけた言葉に、最初の涙が出ました。
ママモンローにとっては、テトの存在の価値は、
効率よくパンを生産することだけでは決してない……
人と人が作る社会にも、こんなやさしい空気感があると良いと思います。
うまく言えませんが…

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やさしい方ですね。ママモンローがテトに語りかける場面で涙が出るなんて…
《ママモンローにとっては、テトの存在の価値は、
効率よくパンを生産することだけでは決してない……
人と人が作る社会にも、こんなやさしい空気感があると良いと思います。》
という言葉がすばらしくいいですね。
 「効率」とか「生産性」といった言葉を超える、「価値」を私たちはもっともっと積極的に見つけ出し、作り出していかないと、なんだかだんだん息苦しくなる気がします。
 
 さっきセノーさんと郵便局に行ったとき、
「ここって、ハリーポッターに出てくる魔法銀行じゃないですか。あのお姉さんたちは魔女ですか?」
 とかおもしろい話を始めたので、もういっぺん今のお話しして下さい、とカメラを構えたのですが、全く違う話になってしまいました。

www.youtube.com

  セノーさんとこういうどうでもいい話をしているときがいちばん幸せです。障がいのある人と幸せだと思える時間を作り出すこと。そのことこそ大事にしたいと思うのです。

 帰りの会で「いい一日でしたか?」って聞く時間がありますので、今日はセノーさんと魔法銀行の話をしましたって報告しようと思います。

 

新作『タング』にご招待

 オペラ『ロはロボットのロ』の公演の際に集まった寄付金が経費を差し引いて少し余りましたので、こんにゃく座の新作『タング』に親子でご招待します。ファミリー向けの楽しい作品です。行ってみたい方はぷかぷかの高崎まで連絡下さい。

 pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

www.konnyakuza.com

 

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