ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷかという場所がとても豊かな場所に

 昨日、東京から見学に来られた方の感想です。

 

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初めてお邪魔した者として、「ぷかぷか」のパン屋さんが見えてきた時から、賑やかな声が聞こえてきたのが印象的でした。それだけで、ワクワクしました。
きっと、閉鎖的な作業所などとは違って、ぷかぷかさん達の声や姿が生活空間に溢れ出ていることが、私にとって最初の驚きだったのだと思います(それだけ障害を持っている人たちと接する機会が少ないということなのでしょう)。
 
そして、お店の前を歩いていたら、テラちゃんが話しかけてきてくれて、「わんど」の中に誘ってくださいました。その様子から、テラちゃんは、この場所を誇りにおもっていて、他の人たちと共有したいのかな、と思いました。そして、中にいた他の人たちも、私たちの名前を聞いてくれて、挨拶をしてくださいました。「自分たちの場所に、お客さんを迎え入れる」という感じなのでしょうか。そこに私が感じたのは、皆さんが、その場所を自分たちの場所だと思っているということでした。
 
「ぷかぷかさんのおひるごはん」でランチをいただいた時にも、メニューが「佐藤さんの誕生日メニュー」ってなっていて、びっくりしました。佐藤さんが誰かわかりませんでしたが、これを見ただけで心が温かくなりました。こういったところに、ぷかぷかさんが一人一人とのつながりを大事にされていることが伝わってきました。そして、席から厨房の中で働く皆さんの姿が見えたことがとても良かったですし、運んできたくださったご飯がとっても美味しかったです。丁寧に作られていて、栄養満点でした。
 
 
私は、差別や偏見に抵抗するには、障害を持っている人たち自身が元気でいられることが何よりも大事だと思います。その人たちが、自分たちの表現方法で他の人たちとつながれること。それによって、私たちも元気をもらったり、自分たちの中にある差別意識や偏見と向き合って、自分を少しづつ変えていけるのだと思います。ぷかぷかさんは、まさにそんな場所だと思いました。お互いがお互いのあり方を尊重して、必要な時には間違いを指摘できる。そんな信頼関係は、簡単には作れるものではないと思います。自由だけれど決して雑ではなくて、丁寧に対話を重ねて作られてきた場所なのだと思います。また、その過程で近隣住民の方々に新聞を配布して、顔の見える関係性を築いてこられたことも、あの場所を支える大事な土壌になっているようで、大変勉強になりました。
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もう一つ、昨日は運動会の振替休日で、あえてぷかぷかを選んでパンを買いに来た親子がいました。Facebookに記事が載っていました。
 
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以前、パン教室に参加された親子さん達が
パンを買いにきてくれました🥖
運動会の振替休日‼️
ぷかぷかに行きたい‼️と😊

嬉しいです😊

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一緒にごはんを食べたスタッフは 

 

一緒にご飯を食べて、そのままお手伝いしてくれて、かくれんぼして😊

運動会で1位になったことを教えてくれたり、

拾ったどんぐりを見せてくれたりしました。

本当に楽しい時間でした😊😊

また来てくださいねー

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そしてお父さんは帰りの自転車で、

 

あー たのしかった 😄

ひさしぶりにあっちゃんにあえたね!

あえるとおもわなかったね!

またぷかぷかさん、いこうね ✨

まま!

と大満足の息子でした。

息子と遊んでくださった皆様、ありがとうございました

 

 

先日の「唄絵屋さんのお絵かきライブ」にはたくさんの子ども達が集まり、ぷかぷかさん達と楽しい時間を過ごしました。集まった子ども達は、もう「自分の居場所」という感じで楽しんでいました。

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 ぷかぷかに来ることを楽しみにしている子どもがいるって、本当にうれしいです。ぷかぷかに来たことが本当によかったと言って下さる大人がいることも、本当にうれしいです。

 気がつくと、いろんな人がいろんな風にぷかぷかを楽しんでします。そのことでぷかぷかという場所がとても豊かな場所になっています。今日は15人くらいの団体が二つもやってきて、大変なにぎわいでした。

 

 

一緒に生きるからこそ楽しい物語が

 先日、映画『ぷかぷかさんカナダをゆく』をぷかぷかさん達と見ました。

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 自分たちの仲間がカナダに行ったということで、みなさん興味津々という感じで見ていました。珍道中ぶりに、素直にみなさん笑っていましたね。中には泣いてしまったとあとで話した方もいました。

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 やっぱりぷかぷかさん達がいてこそできた旅だったとあらためて思いました。

 カナダに行ったきっかけは、世界自閉症フェスティバルの主催者がぷかぷかのプロモーションビデオを見て、フェスティバルの会場で上映して欲しいという依頼が来たことです。

 プロモーションビデオはぷかぷかさんがいてこそ作ることができたビデオです。何よりも彼らの魅力を伝えるために作ったビデオです。ビデオを作ったのはpvプロボノという映像のスキルボランティアをやっている人たちです。「なんのために映像をつくるのか」「映像を何に使うのか」といった審査があって、作ってもらうことになったのですが、これもぷかぷかさんの魅力を書くことでパスしました。

 ぷかぷかさんがいなければ、あのすばらしいプロモーションビデオはできなかったのです。pvプロボノの素敵な人たちとの出会いもありませんでした。pvプロボノの人たちは映像を作っていく中で、すっかりぷかぷかさんのファンになりました。

 

 ぷかぷかさんがいると、とにかくいろんな物語が生まれます。彼らと一緒に生きるからこそ楽しい物語が生まれます。楽しい物語が生まれるから、一緒に生きててよかった、としみじみ思います。『ぷかぷかさん カナダをゆく』のラストシーンで涙がこぼれてしまったのも、そんな思いがあふれたからだと思います。

 『ぷかぷかさん カナダをゆく』は時々「わんど」や「ぷかぷかさんのおひるごはん」で上映する予定です。お知らせを出しますので、ぜひ見に来て下さい。

 

子どもたちの辛さを自分の辛さとして受け止める。その想像力。

 「PVプロボノ+ぷるすあるは」が制作した精神障がいの親を持った子どもへの限りなく優しいメッセ−ジを見つけました。

 私は親の立場で精神障がいの子どもと毎日格闘していますが(本当に体を張っての格闘です)、これが子どもの立場だったら私の何倍も大変だろうと思います。私は毎日子どもにごはん作っているので、子どものごはんがとても心配です。たとえばお母さんが精神障がいを持っていて、調子が悪いときは食事も作れないときがあると思うのですが、そんなとき、子どもはご飯をどうするのだろう、とリアルに心配します。自分で食事を作れない小さな子ども達はほんとうにどうしてるんだろうと、考えただけで辛くなります。

 そんな子ども達を支える社会を作っていこうっていう呼びかけ。このビデオ、子どもが関わるあらゆる機関の大人達(特に学校の先生達)に見て欲しい。切実に思います。

 精神障がいの親を持った子どもに限らず、様々な問題と日々悪戦苦闘している子ども達にみんなが寄り添い、みんなで支えていこうって大人達が思ったら、社会はもっともっと豊かになります。

 ビデオの中で、「あの子は心を開かない的な大人の発言に、開いたら受け止められるキャパがあるんかい」と大人達に投げかける場面があります。全くその通りだと思います。私たち大人の貧しさを子ども達は見抜いています。子ども達の悩みに本気で寄り添う気があるのか、子ども達の日々の悪戦苦闘を、想像できているのか、精神障がいの人を社会の中できちんと受け止めているのか、といったことです。

 子どもたちの辛さを自分の辛さとして受け止めること。その想像力。それが自分の中のキャパを広げ、社会を豊かにします。www.youtube.com

  制作スタッフの名前を見ると、この中の何人もの人がぷかぷかの映像制作に関わっています。センスがよくて、心優しい人たちなんだなぁ、と思いました。みんな、ありがとう!

制作スタッフ

プロジェクトリーダー、CD(クリエイティブディレクター):宮原契子

演出、編集:内田英恵

撮影:髙橋聡、中野貴大

音楽ディレクター(録音、MA):藤木和人

作曲、演奏:川嶋成美、藤木和人

アルハ(声):佐藤信二

事務局プロジェクト担当:髙橋克人

イラスト、衣装、小物:チアキ

出演:たのなか先生、センセ、チアキ、キタノ

 

 

★子ども情報ステーション(大事な情報が満載)

kidsinfost.net

上からじゃない、平らだからこそ、ひとりひとりのもってるよさが引き出されてくる

 金沢の水野スウさんが自宅で開いている「紅茶の時間」で第一期演劇ワークショップ記録映画を上映するというので日帰りで行ってきました。

 玄関がすごくよかったです。木の表札、木の「紅茶の時間」がすばらしくいい。

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カランカランとベルを鳴らして入るのですが、紅茶の時間が始まると鳴らさずに入って下さい、という札になります。

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シンプルでおいしい昼食。お皿がすばらしかったです。

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スウさんと旦那さん

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 20人くらいのこぢんまりした上映会でしたが、とても密度の濃い話ができたと思います。映画もよかったけど、やっぱりタカサキさんに直接会って話が聞けたのがすごくよかったと何人もの人に言われ、出かけてよかったと思いました。100人とか200人の上映会では、こんな密度の濃い話はできなかったと思います。

 

 80歳に近いお姉さんがいる方は、映画を見終わったあと、姉がこんな所にいたら、もっと幸せな人生を送れたんじゃないか、と涙を流しながら語っていました。お姉さんは知的障がいがあって、施設に預けているそうですが、施設長に、「何にもできないのに、手ばかりかかる」などとひどいことをいわれ続けたそうです。福祉施設なのに、何もできないことをいうのはおかしいのではないかと、言ったそうですが、聞き入れてくれなかったそうです。だからお姉さんは、ずっとそういうことを言われ続け、本当に辛い人生を送ってきました、と涙を流しながら語っていました。映画を見て、姉がぷかぷかのような所にいたら、全く違う人生だったと思います、と。

 

 ぷかぷかが始まって2年目くらいに、以前作業所にいたぷかぷかさんが介護認定調査の際「最近、仕事はどうですか」というケースワーカーさんの問いに

「以前は毎日うつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています」

と答えたことがありました。ぷかぷかの仕事がそんな言葉で語るくらい彼女の人生を支えていたようです。

 ぷかぷかに活気があるのは、みんながそんなそんな思いで働いて、みんなの生き生きとした人生が渦巻いているからだと思います。

 

 80歳に近いお姉さんのいる方は、映画を見ながら、そのことを感じられたのだろうと思います。

 お姉さんは昔から絵が好きで、私たちには思いつかないような面白い絵を描くとおっしゃっていました。だったら、その絵を何枚か写真に撮っておくって下さい、とお願いしました。ぷかぷかはぷかぷかさん達の絵を社会に出していくことを一生懸命やっているので、ひょっとしたら社会に出していく一枚になるかも知れません。ずっと施設の閉じた世界に生きてきたお姉さんの絵が社会に出て行って、たくさんの人の心を癒やすようなことになったら、お姉さんの人生が、今までと全く違うものになるかも知れません。辛いことばかり多かった人生が、前に向かってゆっくりと動き始めます。

 

 水野さんご夫婦が、そろって「ぷかぷかは13条そのままですね」とおっしゃっていました。13条は憲法13条です。

【第13条】

 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 水野さんの娘さんが13条と出会ったときの話をこんなふうに書いています。

 ーはじめて13条を読んだとき、「個人として尊重」と「幸福追求の権利」という言葉が真っ先に飛び込んできました。個の人、ってことは…たった一人の人として、ほかの誰ともとりかえのきかない存在として、大切にされる、っていうこと?なんかこれって『ほめ言葉のシャワー』の最後に書いたこととつながっている気がするよ。

 しかも「すべて」だから、社会の役に立っている人だけ、テストの点のいい人だけ、GDP国内総生産あげるのに貢献している人だけ、とかそういう条件一切なしの、どんな人も、だ。ってことは、私も?

 何も立派なことのできていない自分が恥ずかしくて、幸せになる資格なんかないって、私が私を責めてたときも、ずっと13条は「ううん、そうじゃないよ、何かができる/できないは関係ない。たった一人のあなた、ただそれだけで、大切な存在なんだよ。生きて幸せを追い求めていいんだよ」って言い続けてたの?憲法って、もしかして、私の味方…

          『たいわ けんぽう BOOK」

         (この本はぷかぷかにも置いてます。アート屋わんど魚住まで)

 

 

 80歳に近いお姉さんに「何かができる/できないは関係ない。たった一人のあなた、ただそれだけで、大切な存在なんだよ。生きて幸せを追い求めていいんだよ」っていう環境があれば、お姉さんの人生は全く違ったものになってたはず。ぷかぷかは期せずして13条やってました。みんなでぜひ13条やりましょう。そうすればお互い、もっと生きやすい社会になると思います。

 

 今朝アップされた水野スウさんのFacebookにはこんなことが書かれていました。

10日のとくべつ紅茶。ぷかぷかさんの約半年におよぶ演劇ワークショップの映像記録「もうひとつの 森は生きている ぷかぷか版」の上映+ぷかぷか村長こと理事長の高崎さんのおはなし会。

急なよびかけに、しかも、ほとんどのひとが、ぷかぷかって何?誰?状態できてくれたにもかかわらず(笑)、最後は、ほんとにきてよかった〜〜!!って顔になってたのがうれしかったな。
2時間におよぶドキュメントのあちこちで、おもわずあったかい笑い声になんども包まれる。私が一人でDVD見たときに感じたしあわせ感を、きてくれた20人弱のひとたちと共有する。

養護学校の先生を30数年してた高崎さん。先生になりたてのころはとまどうことばかりで、毎日おろおろしながら、はだかで彼らとむきあうしかなかったこと。そのおかげで、どんどん自分の規範が外され、高崎さん自身が自由になっていったこと。退職後も、障がいをもつ彼らと一緒に生きていく場をつくりたくて、パン屋さんぷかぷかをすぐにはじめたこと。

映像なしに、言葉だけできいてたら、ほんとかな、って思う人もいるかもしれない。でもワークショップ映像を見た後は、その言葉にいっぱいうなずける。参加した人同士で「ぷかぷかさんといるとなんで楽しいんだろうね〜」「なんでだろね〜〜」といいあう映像場面をみながら一緒に、うん、うん、してる自分がいるから。

ぷかぷかパン屋さんをはじめる時、お店だからやっぱり接客を学んだ方がよかろうと、その方面の講師にきてもらって練習した。でも、講師のいう通りにしてるぷかぷかさんたち、気色悪かった、痛々しかった、って。マニュアル通りにするってことは、自分を殺さなきゃいけないことだから。そこで、最低限、お客さんが不愉快でなければいい、とリスク100%ではじめたけど、逆にそれが新鮮、一所懸命さが伝わってきて、ぷかぷかさんのファンが生まれた。意図したんでなく、そうなった。

福祉施設は「支援」をしたがる。それって上から目線でしょ。ぷかぷかさんたちには、できないこといっぱいあるけど、彼らといるといろんなおもしろいことが起きる。彼らといる時間はここちいい。ありのままの自分でいられる。
彼らがいることでぼくら自由になれる、ほっとする。ぷかぷかさんに、支援されてるのは僕の方だ。彼らの存在がまちを耕すという働きをしている。まちを豊かにしている。そういうふうに人をみていくと世界がかわっていく。だから、彼らと一緒にいきてったほうが得なんです、と高崎さん。

映画の後は、高崎さんが話すというより、終始、参加した人たちとのきもちキャッチボールタイム。心をひらいて自分の思いを話すと、高崎さんがうけとめて、ときにはその人に必要な具体的なヒントも提示してくれる。

ぷかぷかさんの時間に、私はなんどもクッキングハウスを重ねてた。クッキングハウスにいくと、なんであんなにほっとするんだろう、いごこちいいんだろう。それは一人一人が、なにができるできないのdoで測られずに、存在そのもののbeで大切にされてるからだ、って思ってるけど、それと共通のもの、13条的な場の意味をぷかぷかさんにも感じた。上からじゃない、平らだからこそ、ひとりひとりのもってるよさが引き出されてくる、ってこと、この日のpukapukaな時間でもいっぱい感じたよ。

 

 水野さん、素敵な場を作っていただき、ありがとうございました。 

 

『ぷかぷかな物語』もしくは『今日もせっせと耕して』

 本の原稿ができあがり、先ほど現代書館の編集者に送りました。編集者は季刊『福祉労働』という硬い福祉の本を30年くらい出し続けてきた人です。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-2360-8.htm

 大阪で発行されていた『そよ風のように町に出よう』と並ぶ、こつこつやってきた福祉の本です。亡くなった『そよ風』の編集長河野秀忠さんは、

「『福祉労働』を東の古典落語とすれば、『そよ風のように町に出よう』は上方漫才やな」

といっていたそうですが、河野さんらしいうまい表現だなと思いました。

 『pukapukaな時間』を絶賛していましたので、多分そういう雰囲気の本になるのではないかと思います。

 

 8年前、「障がいのある人たちと一緒に生きていこう」「その方がトク!」と書いた柱を広場の真ん中に立てました。ぷかぷかさんを中心に、少しずつ人が集まり、そこからたくさんの物語が生まれました。その物語を集めたのがこの本です。

 題して『ぷかぷかな物語』。(本の名称はこれから編集者と話し合います。)あるいは『今日もせっせと耕して』。

 『ぷかぷかな物語』は『pukapukaな時間』に対抗するわけではないのですが、しっかりと物語を書き込んだものです。

 『今日もせっせと耕して』は、編集者から、障がいのある人たちと健常者が分けられていることで、様々な問題が起きている。ぷかぷかとしてそのことにどう向き合うのか書いて欲しいとリクエストがあり、あとがきにかえて書いたのが「今日もせっせと街を耕して」。制度的にアーダコーダいったところで何も変わりません。ではぷかぷかは何をしているのかと考えたときに、分けられた社会の中で尚もぷかぷかさんたちがファンを作り続けているわけで、これはまさにそんなふうにして分けられた街を耕しているんだと気づき、「今日もせっせと街を耕して」と題してあとがきにかえました。あとがきのタイトルですが、本のタイトルとしてもいいなと書いてから思いました。「街を」を外して、「今日もせっせと耕して」の方がなんとなくノリがいいですね。『今日もせっせと耕して』に、「街を」を吹き出しにしてくっつけると楽しいなと思っています。サブタイトルにするといいのかも。

 本の目次は以下の通り。

 

はじめに

第1章 物語のはじまり

1−1 「養護学校でもいい」と思って働き始めたら、病みつきに

1−2 障がいのある人たちに惚れこんでしまったー

                    すべてはそこから始まった

1−2−1 ゲハハハ ガハハハ

1−2−2 カンカンカン あたりぃ!

1−2−3 社長の方が何倍もいい顔

1−2−4 障がいのある子ども達に育ててもらった

 

1−3 みんなでパン屋やろうぜ

1−4 夢の始まりーNPO法人の申請書を書く

1−5 とにかくやりたいからやるーそれが福祉起業家

1−6 650万円ゲット!

1−7 2000万円を超える見積書にじわっと冷や汗 

 

第2章 パン屋を始めたものの

2−1 商売のことを何も知らずに始めた「素人パン屋」

2−2 近隣から「うるさい!」と苦情の電話が入り、半年間は針のむしろ

2−3 この1枚の写真を撮るために4年かかりました

2−4 プロから見れば、もう見てられない

 

第3章 なんだ、そのままでいいじゃん   

3−1 気色悪くて接客マニュアルはやめた

3−2 ひとときの幸せをいただきました

3−3 ぷかぷかウィルスに感染! そのお客さんは

3−4 そのままでいいなら、今まで努力は見当違い?

3−5 彼らに社会を合わせた方がいい

 

第4章 ぷかぷかのお店

4−1 おいしい給食が「ぷかぷか三軒長屋」に

4−2 カフェベーカリーぷかぷか

4−3 おひさまの台所

4−4 アート屋わんど

4−5 ぷかぷかさんのお昼ごはん

 

第5章 まっすぐに前を向いて生きています

       ー障がいのある人が働く、ということ

5−1 知的障がいの人にはほんとうに単純作業が向いている?

5−2 一大決心で飛び込んだぷかぷか

5−3 「まっすぐ前を向いて生きています」という言葉が出る職場

5−4 障がいのある人たちへの人生への配慮が抜け落ちているんじゃないか

5−5 仕事の持つ意味が、ぐ〜んと豊かに

5−6 ビジネスの面白さで毎日が楽しい

5−7 一石五鳥のソーシャルビジネス

 

第6章たくさんのつながりを作る

6−1 パン教室はぷかぷかさんとのおいしい関係

6-2 ぷかぷかしんぶんでお客さんを作ってきた

6−3 ありがとうカードが手描きで10万枚

6−4 なんでまたパン屋が子ども達にオペラをプレゼント

 

第7章 障がいのある人たちといっしょにあたらしい文化を作る

7−1 識字教育としての演劇ワークショップ

7−2 障がいのある人たちと演劇ワークショップ

7−2−1 障がいのある人に「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と

     しみじみ思う関係

7−2−2「海のぬいぐるみ」だって?

7−2−3 時代が追いついた

7-3 第一期みんなでワークショップ「森は生きている」ぷかぷか版 

 7-3-1 人形に魂を入れるのがむつかしかった

 7−3−2 手話で「もえろ もえろ」

 7−3−3 みんな悪意がないんだね

 7−3−4 このわがままな人間たちをどうしたらいいでしょうか?

 7−3−5 げんさん、タケちゃん、じゅんちゃん

 7−3−6 まーさんの物語

 7−3−7 なぜ彼らといる時に、ゆるっと心地よいのか、

                  わかった気がします。

7−4 第二期みんなでワークショップ 「みんなの生きる」

 7−4−1 「みんなの生きる」の詩を書く

 7−4−2 不満のかたまりむっつり大王

 7−4−3 むっつり大王は自分の中に

 7−4−4 むっつりに感染しない人たちもいるんじゃないか

 7−4−5 電話口で♪おひさま〜が りんごの〜 はっぱをとおして ひ〜

                              かる〜……

 

7−5 第三期みんなでワークショップ「セロ弾きのゴーシュ」ぷかぷか版

 7−5−1 できないことが新しいものを生み出す

 7−5−2 すばらしく味のあるチェロ

 7−5−3 ふつうに書いた字がそのまま背景画に

 7−5−4 クリームパンを買いに来たお客さんがいっしょに舞台へ

 

 

第8章 思いつきのひとことが区役所を巻き込んで生まれた物語

8−1 区民まつりでブースのデザイン

8−2 大きな絵地図を作ることに

8−3 大きな絵地図が区役所のロビーに

8−4 区長、副区長が名刺に似顔絵

8−5 人権研修会講師に「ぷかぷかさん」

 

 

第9章 相模原障害者殺傷事件のこと

9−1 社会全体が障がいのある人たちを排除

9−2 面倒のかかる人たちを排除すると社会はすっきりするのかどうか

9−3 たくさんのファンを作り出してきた

9−4 小さなことを日々の暮らしの中で積み上げる

9−5 人の名前は、その人の人生そのもの

9−6 「決して忘れない」はどこへ行ったのでしょう

9−7 「障害者は不幸しか生まない」?

9−8 たかが握手、されど握手

9−9 障がいの重い子どもとの日々が楽しい

9−10 生産性のない人が社会に必要な理由

9−11 福祉を腐らせないために

9−12 NHKスペシャルで見えてきたこと

9−13 黙々といい一日を作り続ける

9−14 重い問い

 

今日もせっせと街を耕してーあとがきにかえて

 

雑居まつりに行ってきました

 世田谷の雑居まつりに行ってきました。いろんなグループがごちゃっといて、この泥臭い雰囲気がすごくいい。

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煙のあがっているところがなんとものどか。火を使っていい貴重な場所。

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 「みなせた」(水俣と世田谷を結ぶグループ)の舞台。「働くって何?」がテーマ。

ぷかぷかのワークショップの進行役をしているせっちゃん、はるちゃん、表現の市場の舞台監督ナルさんの三人が舞台に立っていました。

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www.youtube.com

 この芝居、「働くってどういうこと?」で終わりました。終わってから、ナルさん、せっちゃんに

「テーマを語るところで終わってるじゃん。このあとが大事なんじゃないの?」

と文句を言ったら、今日のは予告編みたいなもので、本番は12月にやるのだとか。

「だったら来年1月の表現の市場の舞台でもやったら」

と提案。今、ぷかぷかが取り組んでいる「ほらクマ学校を卒業した三人」は「なんでもいいから一番にな〜れ」を忠実にやろうとして、最後には自滅する三人の物語。この「一番にな〜れ」は生産性の評価。そこを問い直すのは、働くことの意味を問い直すことでもあり、今日見た芝居にも通じる話、と表現の市場に誘ったのでした。

 ま、でも、そういう思いで芝居の筋道を作ってしまうのは、それはそれで変なので、どこまでもぷかぷかさん達が作り出すもので勝負するのですが、お話をふくらませていくときの手がかりは提供しようと思っています。あとはぷかぷかさんたちがどんな風にふくらませていくか、です。

 

 もう一つ、ラブエロピースの舞台。これはみんなの思いが爆発するような、すごい迫力。

一番中心でがんばっている実方さん

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全身でシャウトする、この人の生き方がすばらしい!

www.youtube.com

 ラブエロピースは表現の市場で2年続けてロービーコンサーとをやっていただいたのですが、来年はぜひ舞台に立って欲しいと思い、舞台監督のナルさんに相談。音響のセッティングが大変そうでしたが、なんとかやってみよう、の返事。

 来年1月27日の表現の市場の舞台は、和太鼓の「アラジン」、ラップの「はっぱオールスターズ」、「みなせた」の芝居、「ラブエロピース」、それにぷかぷかの芝居。全部で3時間近い舞台になりそうです。

映画には、一緒に生きていった方がいい、という力強いメッセージがいっぱい

 昨日の夕方、金沢の水野スウさんからメッセンジャーで

 

高崎さん 来週の紅茶で、「森は生きている」ぶかぶか版の上映会をすることになりました!!6回のワークショップ、本番、そして日常のぷかぷかさん、すばらしい映像の記録。自分も参加してるような臨場感…

 

というメッセージが届きました。

 8月のみどりアートパークの上映会に、スウさんの娘さんが見に来ていて、すばらしい映画でしたという感想をもらい、よかったらぜひ金沢で上映してください、と「森は生きている ぷかぷか版」のDVDを預けました。それをお母さんが見て、上映会やろう、と決めたようです。

 「森は生きている ぷかぷか版」は2時間11分の大作です。それをDVDを見ただけで、やろう!と決めた水野スウさんの思いを見たとき、これは行かねば、と思ったのです。すぐに金沢行きのチケットを予約しました。

 映画は発表会の舞台の映像から始まり、その舞台に至るまでの6ヶ月にわたるワークショップの活動を記録したものです。ひとつの表現が出てくるまでの長い時間をそのまま記録しています。障がいのある人たちとおつきあいする、というのはこの長い待ち時間を共有することなんだ、ということがよく見えます。そういう作業を繰り返し、最後の発表会の舞台ができあがります。

 彼らと一緒に生きること、その結果、何が生まれるのかがよく見える映画です。共生社会を作ろう、とか、共に生きる社会を作ろう、とか聞こえのいい言葉が飛び交っていますが、ぷかぷかはそういう言葉は一言も発することなく、黙々と彼らと一緒に芝居を作り、彼らといっしょに舞台に立ちます。

 共生社会を作るためにワークショップをやっているのではありません。どこまでも彼らと一緒にやるワークショップが楽しいからやっているのです。彼らと一緒に生きることが楽しいからやっているのです。

 だから最後、すばらしく楽しい舞台ができがあがります。彼らと私たちの関係がとてもよく見えます。一緒にいると楽しい!という関係。

 その関係の中で、障がいのある人たちに向かって、

「ここにあなたにいて欲しい」「ここはあなたが必要」

と心から思えるようになります。

 相模原障がい者殺傷事件の犯人は

「障がい者はいない方がいい」

といいました。そしてそれに同調してしまう社会があります。それに対して、

「それはちがう」「障がいのある人たちはいた方がいい」「社会に必要」

というメッセージを出し続けなければならないと思っています。

 それは「共に生きる社会を作ろう」といった抽象的なメッセージではなく、もっと具体的な形のある、思いのこもったメッセージです。障がいのある人達と全くおつきあいのない人たちが見ても、

「一緒に生きていった方がいいよね」

って共感できるようなメッセージです。ぷかぷかさん達といっしょにやっている演劇ワークショップは、そういう目に見えるメッセージ・舞台を毎年創り続けてきました。

 映画には、一緒に生きていった方がいい、一緒に生きていくとこんなにすばらしいものができる、という力強いメッセージがいっぱい込められています。

 

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10月10日、とくべつ紅茶の時間で、ぷかぷかさんの上映会&ぷかぷか理事長・高崎明さんのおはなし会することになりました!
題して、「pukapukaな時間」
1:00〜5:00(うちわけは、ぷかぷかさんの映画上映+高崎さんのおはなし+参加したみんなとのきもちキャッチボールタイム) 参加費1000円。@紅茶・水野宅 076−288−6092