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ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

生産しない人たちを社会はどう扱うのか

 今朝の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」欄の「障害者が狙われて」と題した熊谷晋一郎と最首悟さんの対談が載っていました。

digital.asahi.com

  《「生産しないものには価値がない」という容疑者の考え方は経済主導の国家がはらむ問題に通じます。》

 と言う最首悟さんの発言は、私たちみんながきちんと考えていかないと、お互いがとても苦しくなります。

 私たちはただいるだけで経済をまわします。重度の障害者であっても、その人が施設にいれば、彼らをケアすることで、様々な仕事が生まれ、施設の経営が成り立ちます。相模原障害者殺傷事件の容疑者の給料だって、彼らをケアすることでもらえたものです。容疑者の仕事も、彼らがいたからこそ成立した仕事でした。彼にはそういった仕組みが見えてなかったのだと思います。

 ただ、生産する者、生産しない者、 という見方が力を持っている今の社会にあっては、そういった仕組みが見えにくく、生産しない者はどこまでも力が弱く、邪魔者扱いされます。

 障がいのある人たちの働く地域作業所ですら、生産しないものは邪魔者扱いです。セノーさんはそういう扱いの中で居場所を失い、ぷかぷかにやってきました。 

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

《生産しない人たちを社会はどう扱うのか、いよいよ問いを突きつけられている。》

と最首さんはいいます。

 そんな中で、ほうっておくとほとんど働かないセノーさんのあり方を認め、セノーさんが安心していられる居場所をつくったぷかぷかのやり方は、最首さんの問題提起へのひとつの答えだと思います。

 

 

  

彼らといっしょに線を描けば、楽しくなる関係が生まれます

 スローレーベル主催の見学会で22人もの人がやってきました。ただぶらっと見学して帰るのはつまらないので、金子さんを呼んで、線を描くワークショップをやりました。描きにくい大きな筆を持って、自由に線を描くワークショップです。「魚を描いて下さい」ではなく、「自由に描いて下さい」と言われるとかえって描きにくいものです。この時の戸惑いが新しいもの、新しい関係を生みます。

 今日はスペースにゆとりがなかったので、ぷかぷかさんたちとはいっしょにやりませんでしたが、彼らといっしょに線を描けば、ただそれだけで楽しくなる関係が生まれます。いっしょにいて楽しくなる関係。それがアートの生む関係だろうと思います。間違っても彼らを支援するような関係は生まれません。彼らとフェアな関係が生まれるとき、そこから新しいものが生まれます。

 演劇ワークショップで生み出しているのはそういうものです。

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あんちゃんも参加しました。

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ユースケさんもいっしょにやりたそうにのぞき込んでいました。

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日本フィルの舞台に当たり前のように障がいのある人が立つ

 2月26日(日)の日本フィルハーモニーのイベントにダイちゃんとコラボをする江原さんが練習に来ました。「上を向いて歩こう」とゴーシュの中で使った「愉快な馬車屋」の2曲を練習しました。ダイちゃん、疲れていたのか、途中江原さんとカメラマンの吉田さんに肩をもんでもらいながら練習しました。いい感じで仕上がりました。

www.youtube.com

 

 2月26日杉並公会堂で、午前と午後の2回、小ホールのリレーコンサートの舞台に立ちます。しっかりギャラももらえるそうで、日本フィルはすごい楽団だと思いました。

 日本フィルの舞台に当たり前のように障がいのある人が立つことをお客さんが当たり前のように受け止める社会こそ、お互いが気持ちよく生きていける社会だと思います。

 今回の舞台の評価がまた次の新しい展開に広がってくれたら、と思っています。

 26日は朝9時からリハーサルです。また報告します。

pukapuka-pan.hatenablog.com

彼らのチカラで街を元気に

 藤が丘駅前のマザーズに行って社長と壁面に絵を飾る話をしてきました。

 「あ、いいねぇ」なんて言ってました。

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 「これは障がいのある人たちの絵と言うより、アートだね」と言ってました。

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正面横の柱にも飾ってみました。

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この柱にはこの絵を飾ろうと思っています。

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 社長の方はなんの問題もなく、いっしょにアートで通路を楽しくしましょう、ということになりました。4月くらいからスタートできたら、と思っています。

 殺風景な通路がにぎやかなあたたかい通路になります。通りがかりの人も参加できる絵のワークショップもやろうと思っています。障がいのある人のメッセージがワンワンと鳴り響くような楽しい通路になるといいなと思っています。彼らのチカラで街を元気にするのです。

 こういう場を街のあちこちに作ること、それが相模原障害者殺傷事件を超える社会を作っていくことになります。

人の心のドアをノックしに行く感じの映像になれば

 昨日の日記に「心がほっこりするような映像のメッセージができたら、と思っています。」と書いたら、映像を作っている信田さんからこんなメールが来ました。

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タイトルに「ほっこり」という言葉を使われていますが
「ほっこり」には「ほっとする」というイメージが強いように思います。
今回の映像はもう少し見た人の心の中に「染みこんでいく」感じになれば良いなと思います。
オーヤさんや僕が体験したような「感染」を映像で起こせないかという感じで
「ほっこり」というより(そういう側面ももちろんあるのですが)人の心のドアをノックしに行く感じになれば思っています。
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 「感染」というのはぷかぷかウィルスに感染した、という意味です。
  最初に「ウィルスに感染した」という言葉を使ったお客さんの話。
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子供2人を連れてカフェでランチを食べていました。お客さんは私の家族と他にもう一組だったかと思います。

お天気も良く明るくゆったりとした空気の中で

「おいしいねー」

「もう1回チョコパンとチーズのパンおかわりしたい」

などと子供と話をしていました。

 そしたら厨房の小窓のカーテンが急にシャッ!と開き、ニコニコ笑顔にマスクの方が

「おいしいかい!?」

と聞いてきました。

 一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、とっさに

「美味しいです!」

と負けじと大きな声で答えました。

 その方は、そうだろうと言わんばかりにニコニコのまま

「フフ〜ン」

と笑い、カーテンを閉めました。

  多分10秒程のできごとでしたが、この思ってもみない楽しいやりとりで、また食べに来ようと思いました。

 ぷかぷかウィルスに感染したのは、多分この時だと思います。

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 去年プロモーションビデオを作った中島さんもウィルスの重症患者ですと自分でおっしゃってました。信田さんもぷかぷかに通っているうちにどうも感染したらしいのです。そして今回、その「感染」を映像で表現したい、というわけです。

 ますます楽しみになりました。

 

 信田さんがすごいなと思うのは、そういった映像こそが、相模原障害者殺傷事件へのメッセージになる、と言っていることです。昨年、瀬谷区で障がいのある人たちのグループホームの計画が、住民の反対運動でつぶされてしまいました。「障害者はここに来るな」と言っている人たちの心のドアをノックするような映像になるなら、それこそが相模原障害者殺傷事件へのメッセージになります。

 あらためて信田さんはすごい仕事をやろうとしているのだと思いました。

心がほっこりするような映像のメッセージが作れたら

 ぷかぷかのプロモーションビデオ第二弾を撮影中のpvプロボノの信田さんがミズキさんの歌う様子を撮影に来ました。ミズキさんは歌が得意で、月一回「ゆりの木カフェ」でお年寄りの方たちが集まって歌を歌ったりお茶を飲んだりする集まりに参加して昔のなつかしい歌を歌います。集まったお年寄りの方たちはいつも大喜びです。その様子を撮影に来ました。

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 こういう地域の人たちとのおつきあいがすごくいい、と信田さんはいいます。そういうおつきあいを作っていることこそが、相模原障害者殺傷事件へのメッセージになるのではないか、といいます。

 昨年7月の相模原障害者殺傷事件を受けて、プロモーションビデオ第二弾は事件へのメッセージを込めたいと思い、プロジェクトチームと何度か話し合いをしてきました。映像のあとにメッセージのテロップを入れる案もありましたが、言葉にすると、なんか軽くなってしまうというか、言葉だけが上滑りするような気がしました。言葉でいくらそれは間違っていると言っても、社会は変わりません。社会が変わるのは、人が変わるときです。人はどうやって変わるのか。何がきっかけで、どう変わるのか。

 そういう意味で、ぷかぷかが、お店、外販先、パン教室、演劇ワークショップ、アートワークショップ、ぷかぷかマルシェ、運動会、区民まつり、ぷかぷかしんぶんなど、様々な形で地域の人たちとのたくさんのおつきあいを作り出し、ぷかぷかのファンを作り、地域社会を少しずつ変えていることこそが相模原障害者殺傷事件へのメッセージではないのか。それを映像に収め、1時間くらいのドキュメンタリー作品にまとめるのがいちばんいい、と信田さんはおっしゃっていました。それを作るお金のないことがなんとも残念な気がします。

 今回のプロモーションビデオは見た人の心にしみこむような映像にしたいとおっしゃっていました。しみこむような感覚で伝わるメッセージです。言葉ではなく、どこまでも映像でメッセージを作りたいというわけです。それは今日ミズキさんが地域のお年寄りの方たちと楽しそうに歌っているようなあたたかな映像です。

 

 この撮影のあとセノーさんが毎朝入金に行っている郵便局に行きました。セノーさんの「ああああ…」のあいさつで郵便局のお姉さんたちの心を癒やしている様子を撮りたいとおっしゃっていたので、局長さんと撮影がOKかどうか交渉しました。セノーさんの撮影はともかく、お姉さんたちの撮影はむつかしいだろうと思っていたのですが、なんと「ああ、いいですよ」とあっさりOK ! 「撮影に来るときは事前にお知らせした方がいいですよね?」「そうですね、その日はお化粧してきますから…」と、こんな具合でした。

 いい郵便局です。これもみんなセノーさんのおかげです。セノーさんがこんな関係を作ってくれました。それを映像化したいと信田さんはいうのです。相模原障害者殺傷事件へのメッセージとして。

 

 以前描いた大きな絵地図を区役所のロビーに飾ることを決めた区政推進課の課長さんのインタビューも撮りたいということで、これも電話してみたら一発でOK。障害支援課とかではなく、区政推進課とのおつきあいの方が社会に出ていくという意味ではおもしろいと思っていたので、どんなインタビューになるのかすごく楽しみです。課長さんの心を揺り動かしたのはなんだったのでしょう。ぷかぷかさんたちのどこが気に入ったのでしょう。

 

 3月初めには郵便局の取材、オーヤさんのインタビュー、区政推進課の課長さんのインタビュー、区役所外販の取材、お客さんのインタビューと続きます。

 前回は5分ちょっとのプロモーションビデオでしたが、5分では収まらないだろうと信田さんはおっしゃってました。それくらいいろんな思いが渦巻いているのだと思います。

 

 相模原障害者殺傷事件は本当に気が重くなるような事件でした。それに向けてとんがった言葉のメッセージではなく、やわらかな、心がほっこりするような映像のメッセージができたら、と思っています。

 

   ミズキさんを撮影中の信田さん

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ひとつの舞台をつくるのに、どれだけの人が関わり、どれだけの人とつながっているんだろう

 ワークショップに参加された方の感想、アップしようと思いつつ、忘れていました。ごめんなさい。

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 「ぷかぷかになれた日」

ふと、そんなタイトルが浮かびました。

私はワークショップのドキュメンタリー映画に出会ってから今日まで「満たされる」感覚を体感しています。
「楽しい」なんて薄っぺらいものではない何か!
ただ、言葉で表現することが苦手なので、歌の仲間や同僚から送られたメッセージを紹介します。
その1
和太鼓ではリズム乱れずに
驚き、表現力に感動。
ラップはこちらも一緒に か、き、くけこ、かきくけこ!と一緒に乗って歌ってしまいました(^^;;
劇は 多分当日もどんな展開になるか予測がつかずドキドキだったでしょうね。
自分達で筋書きを書いたり伝えたり素敵な絵で表現出来ていましたね。
沢山の動物達が出来てきて
楽しかったです。
客席の小さな子供はストーリーや面白いところに笑いが起きていました。子供は客観的で無く、面白いと自分もその中に入り込んでいけるから、つまり正直。
楽しんでいたと思います。
これからも活動続けられるのね。大変でしょうけど、やり甲斐や感動がいっぱいですね。
新しい楽譜を入れるカバンに付けようとぷかぷかの可愛いブローチ手に入れました(^_^)

その2
本当にすばらしい体験をさせてもらいました。想像以上のパワーと愛に満ちた時間でした。
帰ってからも胸に灯った暖かい灯は心を暖めてくれます。
これからも応援しています。

その3
いい空気でしたね。
私も今の職場では接する事がない幸せな空気を久々に感じました。
舞台上で「どんどん発信して」とおっしゃっていたので、SNSに載せちゃいました。
いつかお店にも行ってみたいです。

等など
そして、みんなが「誘ってくれてありがとう♪」と…
ワークショップで豊かな時間を過ごし、舞台裏で心地好い緊張感を味わい、舞台でみんなのキラキラした笑顔や真剣なまなざしからパワーをもらっていた私。
ただただ、私がハマったぷかぷかワールドを知って欲しかっただけなのに。

そして、最後に出口でファッションモデルのお姉さんを抱えて立っていると、「一緒に写真を撮ってもいいですか」と小さな女の子を連れたお母さん。「この子も一緒に造ったんです」と!
「ありがとう♪どこをやってくれたの?」と聞くと、その子は「これとこれ貼った」と衣装の一部を覚えていて、自慢気に指さしてくれました。
勿論、私がカメラマンになって、モデルと親子のスリーショットをパチリ。
ひとつの舞台をつくるのに、どれだけの人が関わり、どれだけの人とつながっているんだろうと考えると嬉しくてたまりません。

今も涙で画面が見えないくらい、感謝(そんな一言で片づきませんが)の気持ちでいっぱいです。
そして、これからもその豊かな連鎖が拡がることにもワクワクします。

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 ネズミのシーンで登場したファッションモデルのお姉さんはわんどのワークショップで作ったものです。

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 この時に参加した子どもが表現の市場に来ていたみたいですね。こうやって人と人とがつながっていくのがぷかぷかです。

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このお姉さんたち、最初はカフェの壁にただ飾るだけの予定だったのですが、ふと思いついて秋のマルシェでこのお姉さんたちを先頭にファッションショーをやってしまいました。

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  お姉さんたちもお姉さんたちといっしょにパレードした人たちも、壁にただ飾るよりも、ずっと楽しそうでした。アートはこうやって生かすことで、原型の2倍も3倍も楽しくなります。

 ゴーシュの舞台で踊ったのも、ほんの思いつきでした。はじめはただ舞台に登場させようとだけ思っていたのですが、どうせならいっしょに踊っちゃおうと思い、タンゴの曲で踊ってみようと思っていました。ところがゴーシュの中にそんな音楽はなく、どうしようかなと思っているときに、ネズミのシーンで歌う「よかぜとどろきひのひはみだれ…」の歌を思いつき、ワークショップの中で実験的に踊ってみました。これが思いのほか面白くて、舞台で踊ることになったのです。踊りの最後にお姉さんにチュッてやろうと思ったのですが、お姉さんの腕が邪魔をしました。

www.youtube.com

  そして今度は藤が丘駅前のマザーズの壁を飾るかも知れません。ほんとうにファッションモデルの雰囲気です。

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 「思いつき」というのはなんだか無責任な響きがあるのですが、でもこうやって「思いつき」によって思ってもみない新しい広がりができたのですから、「思いつき」もバカにはできません。

  考えてみれば緑区民まつりのブースのデザインから始まった「絵地図物語」も思いつきのひとことで始まったのです。

pukapuka-pan.xsrv.jp