いい本を見つけました。
ほんとうなら、かな「は」ね、となるはずのこの絵本のタイトル。
小学校の頃に「は」と「わ」の区別がつけられなくて、うまく書けなかった著者の思いが詰まっています。
と本の帯にあって、これは読まねば、と思いました。
私の娘は精神障害と発達障害を併せ持っています。鬱の検査で大学病院に入院した時、発達障害であることがわかり、その検査結果を見た娘が、
「そうだったのか」
と、妙に納得したことを鮮明に覚えています。
大学まで、なんとなく順調にいったように思っていたのですが、多分まわりとの関係の中でいろんな苦労があったのだと思います。
かなちゃんのように泣くことも
苦労の原因がわからないことの漠然とした不安。悲しく思うこともあって、かなちゃんのようにたくさん、たくさん泣いたんだと思います。
そんな中で「発達障害」と診断され、今までモヤモヤと自分の中にたまっていたものが、ようやくわかった、という感じでした。
もちろん、そう診断されたことで問題が解決したわけではありません。生きる苦労は相変わらずです。大学に入ってから鬱がひどくなり、ほとんど学校に行けないまま泣く泣く退学しました。鬱はただ単に気分が鬱状態になるのではなく、娘の場合、体が動かなくなりました。
自分の人生が思うようにならなくて、荒れに荒れました。手がつけられなくなり、警察に来てもらったことも何度かあります。今はかなり落ち着きましたが、それでも一日中伏せっている日がたくさんあります。ほんとうに苦労の日々です。
でも、苦労は人間を磨きます。苦労したことは、そもまま自分の財産とも言えます。そんな風に考えながら娘の苦労とつきあっています。
『かなわね』は、かなちゃんの苦労が生み出した社会の財産だと思います。たくさんの人に届いて欲しいです。