ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

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人として相手とちゃんとつきあわない現場だったから

 昨年7月に放送されたNHKスペシャルで紹介された松田智子さんの1年後の様子が「おはよう日本」で放送されました。智子さんの生き生きとした表情にびっくりしました。

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  生活環境が変わるとこんなにも表情が変わるんだと思いました。津久井やまゆり園にいたときは徘徊がひどく、見守りが困難だとして毎日のように「身体拘束」されていました。多い日は13時間を超えることもあったそうで、その結果、智子さんはだんだん意志を示さなくなったといいます。

 やまゆり園から別の施設へ移った智子さんの今の表情を見ると、やまゆり園が、いかに非人間的な支援施設であったかがよくわかります。相手が重度の障がいを持っていても、人としてちゃんとつきあっていれば、13時間も拘束するなんてことはあり得ません。

 人として相手とちゃんとつきあわない現場だった。だから、あの凄惨な事件は起こったのではないか、とあらためて思います。

 

 裁判が始まって、多分犯人の異常さがいろいろ出てくるのだろうと思います。その異常さ故に、あの事件が起こった、ということで済まされたら、智子さんを13時間も拘束するようなやまゆり園自体の問題は見えなくなります。多くの方が智子さんのような扱いを受けていたのではないか、ということは容易に想像できます。本当は、この問題こそ解明すべきだと思います。

 神奈川県がつくった事件の検証委員会の報告書には、現場がどうだったのか、という一番肝心な部分が全く書かれていません。どう考えてもこれは不自然です。利用者さんが13時間も拘束されるようなひどい現場を全く調査していないなんて、あり得ないと思います。

 

 先日神奈川県に出した質問状にもこのことを書きました。

 

④神奈川県の作成した事件報告書には、津久井やまゆり園はどのような現場であったのか、犯人は障がいのある人たちとどのように関わっていたのか、という報告が一切なされていません。なぜですか?

 

⑤昨年7月のNHKスペシャルで12時間も拘束された女性の話が出てきました。人権侵害も甚だしいです。そういう現場の調査はしなかったのでしょうか。現場の調査なしで、事件の検証ができたのでしょうか。

 

  どんな答えが返ってくるのか楽しみにしています。

 

 

 

 

 智子さん、週2回ですが、資源回収の仕事もやっているそうです。事件を乗り越えて、ここまで来たんだなと思います。智子さんの顔がステキです。事件後の大きな希望ですね。

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