ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

お客さんが作った『ぷかぷかな物語』

 ぷかぷかでは、お客さんが『ぷかぷかな物語』を作ったりします。

 

 オーやさんは子どもの小さい頃、毎日のように子どもと一緒にクリームパンを買いに来ていました。毎日の散歩コースに入っていたようです。2012年、キヨちゃんが生まれた年で、ベビーカーに乗せて毎日パン屋に来ました。毎日来るので、自然、ぷかぷかさんと親しくなります。

 その2年後、ただパンを買いに来るだけでは物足りなくて、わんどでやっていたクリスマスツリーを作るワークショップに一家で参加しました。2014年12月です。

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 これがきっかけで眞由美さんとおつきあいが始まりました。今までにない、濃いおつきあいだったようです。

 ところが、翌年の8月、眞由美さんは突然天国に旅立ってしまいました。眞由美さんとのすばらしいおつきあいを書いたメールがオーヤさんから来ました。

 

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昨年12月の「クリスマスツリーを作ろう」ワークショップ参加をきっかけに
眞由美さんと急接近しました。
森に向かう道のりで、何処に住んでいて何時に出勤して等、普段の生活を話してくれて、メンバーさん達の日常を初めて知った瞬間でした。
 
それ以来、ぷかぷか三軒長屋で私達家族に会うと必ずといっていい程、声をかけてくれて、バスの中で偶然会うと挨拶するようになりました。
「このまえ、バスでパパに会ったよ」なんて、私に言ってきてくれることも。
 
でも、眞由美さんから娘達にアタックしてくれるものの、なかなか自分の殻をやぶれない娘たちとは、まだ眞由美さんと距離があるなと思っていた今年の6月頃だったか、貴代子が「まゆみさん、まゆみさん」と初めてメンバーさんの名前を口にするようになりました。凄く嬉しかった〜。
そして、ワークショップでは絵を書いてる眞由美さんに話しかけ、一枚の壁が取り払われたようで、すごく私自身喜んだことを覚えています。
「これから、もっともっと近づいていけるといいな」と思っていました。
 
出しゃばりだとは思ったのですが、写真を撮った当初から「いい笑顔だな」と思っていた眞由美さんの写真があるので高崎さんに送ります。実は貴代子が撮ったものなんです。貴代子のカメラだったからこんないい笑顔してくれたのかな。なんて勝手思ってます。

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 絵を描いている眞由美さんと貴代子が会話している動画もあって後日お渡しします。
眞由美さんと自然に会話ができていて、私達の大好きな動画で、高崎さんにもみてもらいたいと思ってます。
 
 いつもみたいに「今日もメロンパン食べてるの!」「ごまっこパン全部食べたの!凄いね〜」とか言いながら、旅立った天国からも、笑いながら私達家族の事を眺めてくれていたら嬉しいなと思うばかりです。
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 眞由美さんと、こんな濃厚なおつきあいをしてたんだ、とメールを見てうれしくなりました。よくある、障がいのある人とおつきあいしました、というのではなく、どこまでも、眞由美さんとおつきあいした、というのがいいですね。
 眞由美さんの人柄がとてもよく伝わってくるあたたかな文章です。オーヤさんの眞由美さんに向けられた視線のあたたかさなんだろうと思います。障がいのある人に向けられた上からの視線ではありません。どこまでも眞由美さんという人に向けられた優しいフラットな視線です。
 人と人のふつうのおつきあいです。ふつうのおつきあいは、障がいがあるとか、ないとかの関係を、こんなふうに簡単に超えてしまいます。
 
 キヨちゃんの撮った写真。キヨちゃんと眞由美さんの関係がすごくよくわかります。眞由美さんの笑顔を見ていると、キヨちゃんとの関係の豊かさが見えます。
 笑顔は、相手に心を開いている、ということです。はじめの頃、眞由美さんがいくら話しかけても黙ったままだったキヨちゃんが、あるときから「まゆみさん、まゆみさん」と語りかけます。語りかけられた眞由美さんの笑顔が目に浮かびます。お互いの心がだんだん開いてきます。『ぷかぷかな物語』が少しずつ展開していったのですね。
 こういうおつきあいが自然に生まれるのが「ぷかぷか」です。
 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」っていうぷかぷかのメッセージを、そのまま子どもも一緒に実践したようです。
 
 『Secret of Pukapuka』という映像の中でオーやさんが語っています。
「以前は上から目線で見てたこともありましたが、ぷかぷかさんとおつきあいするようになってから、自分の方がえらいと思わなくなりました」
 『ぷかぷかな物語』の中で、お客さん自身が心を開き、世界が広がり、人生が豊かになっていることが見えます。