ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

障がいのある人たちの人生を見る視線がすっぽり抜け落ちている

  今朝の朝刊「ひと」の欄に、視覚障害者の化粧法を開発した人のすごくいい話が載っていました。

f:id:pukapuka-pan:20181103001059j:plain

 

 冒頭の「視覚障害者が、なぜ化粧をするのですか?」という問いを読んだとき、なぜか「知的障がい者は単純作業が向いている」という言葉を思い出しました。知的障がいの方をずいぶんバカにした言葉だと思います。

 単純作業は同じことの繰り返しであり、そういう仕事は誰がやってもすぐにあきてしまいます。仕事の創意工夫といったことを求められることもなく、仕事のおもしろみがありません。おもしろみのない仕事を毎日続けるのは、人生の苦痛です。

 

 ぷかぷかで働いている方が、昔ケースワーカーさんとの面談中、「最近仕事はどうですか?」と聞かれ、その方はぷかぷかに来る前は作業所で働いていたのですが、「以前は毎日うつむいて生きていましたが、今は、まっすぐ前を向いて生きています」といいました。ガ〜ン!と殴られたような気持ちでした。

 仕事って、そうだったんだ、って目が覚めた思いでした。仕事って、ただ毎日こなすだけではなく、それがぷかぷかさんの人生を支えていることに、恥ずかしい話、そのとき初めて気がついたのです。

 ぷかぷかは就労支援の場なので、ぷかぷかさんに仕事を提供していればいい、とただそれだけを思っていました。パンを作ったり、お弁当を作ったりの仕事です。その仕事を提供していればいい、とそこまでしか考えていなかったのです。

 ところが面談したぷかぷかさんは、その先のことを言っていたのです。「今は、ますぐ前を向いて生きています」。つまり、仕事が楽しくて、楽しくて、それは自分の人生を支えてくれている、と。だから、まっすぐ前を向いて生きています。

 ぷかぷかは明るいですねぇ、と見学に来た方の多くが言います。明るいのは、仕事が楽しいからです。そしてそれに支えられている人生が楽しい。だからみんな笑顔なのです。

 

 「知的障がい者は単純作業が向いている」という言葉の一番の問題は、知的障がいの方たちの人生を見る視線がすっぽり抜け落ちていることです。だから、おもしろみのない仕事を毎日続けることの人生の苦痛が想像できないのです。そんな人生が「知的障がいの人たちには向いている」だなんて、ちょっとひどすぎます。

 

 新聞記事の中、【介護ボランティアで出会った女性は、20代で視力を失った。カバンの中には「もしも治ったら使いたい」と昔使っていた口紅が。その口紅で化粧してあげると、別人のような笑顔になった。】その方の人生がパッと輝いたようで、なんかジ〜ンと来ました。

 「視覚障害者が、なぜ化粧をするんですか」という言葉は、視覚障害のある方の人生を見落としています。「化粧で変わるのは顔じゃなくて、気持ち」