ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

何が豊かになるのか、自分で確かめてみたいと思った

 演劇ワークショップに栃木県から新幹線に乗ってやって来るすごい親子がいます。その親子が、ワークショップに参加した感想を書いてくれました。

 

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 まず、僕がぷかぷかさんのことを知ったきっかけは昨年、ぷかぷかパン屋さんの新聞記事を読んだことからでした。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」というメッセージは僕の心に深く突き刺さりました。今まで自分の周りには障がいのある方がいないので、どう接すればよいのかわからず、街でぶつぶつ言っている人とすれ違うと“なんか怖い”と思ってきました。

 

 中学2年生のとき、知的障碍者施設のお祭りのボランティアを募集していて母から誘われたことがきっかけで、毎年ボランティアに参加するようになりました。障がい者の方に対しての怖いとかコミュニケーションが取れないとかといった感情はなくなりましたが、僕の心の奥底にある何かよくわからない、もやもやした「見えない壁」が崩れることはありませんでした。

 だから、新聞記事の「障がい者と一緒に生きると豊かになる」ということが理解できず、言葉は悪いですがきれいごとなのではないかと思い、そのことについて母ともよく意見交換をしてきました。

 

 この春高校生になり、社会福祉部に入部しました。ドナルド・マクドナルド・ハウスや図書館、高齢者施設など今までに経験したことのないボランティア活動にも取り組むことができるようになりました。そして、ずっと気になっていた“一緒に生きると豊かになる”ということも、本当にそうなのか、何が豊かになるのか、自分で確かめてみたいと思ったのです。

 

 しかし、実際に参加してみると僕の中の「見えない壁」がわさわさと立ちはだかって、気持ちがついていけずものすごく戸惑いました。でも、帰りの足取りは、なんだかとても軽く感じられ、もう少し取り組んでみようかなと心に決めました。

 

 次回の目標はぷかぷかさんのメンバーと一人でも多く話をすることです。こんな僕ですがよろしくお願いします。

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 これを書いたタイガ君はこんな作文も書いています。

pukapuka-pan.hatenablog.com

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 そのお母さんは

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 一年前、新聞記事でぷかぷかパン屋さんのことを知ったとき、うわぁ、なんて素敵なパン屋さん!近くだったらなぁ~と思ったことを覚えています。そしてそのぷかぷかさんたちと一緒に今、過ごしている自分、なんかすごい私!と、このご縁がとても嬉しく大切にしていきたいと思います。

 実際に参加してみて、みなさんの想像力の豊かさには感心させられました。どんどんイメージが膨らんで、私はというと、さびついた脳みそをフル回転させてもたよりなく、ぷかぷかさんたちにたよってばかりの私でした。あーでもない、こーでもない、と一緒に悩んで考えて話し合ってぷかぷかさんたちから教えられることがたくさんありました。また、私に疲れていないかと心配して声をかけ、私の手を取りマッサージしてくれたり、ほんとに癒されました。一日をともに過ごして心にやすらぎをもらって帰宅しました。

 参加して気が付いたことがあります。私は息子と一緒に知的障碍者施設でのボランティアに参加してきましたが、そこでは支援者さんと呼ばれてきました。だから、支援しなくてはいけない、と思い込み、その結果障がいのある方と接するときどこか上から目線で接してきた自分に気づきました。こんな気持ちだから、例え100万回障がいのある方とふれあっても何も変わらない、数の問題ではなく、自分自身の問題だったのだと感じました。

 一方、元気なく参加している息子をみて、もう次回はいきたくないと言われるだろうと思っていたのですが、その日寝る前に、「今日はいってよかった、また次回も行くよ、ありがとね」と言われてホッとして嬉しく思いました。息子は幼いころから吃音に苦しんできました。舌を切って伸ばす手術をしたり、目の病気がみつかったりして、生まれてこなければよかった、と言われたこともありました。自分に自信が持てず、人の前に立って話したり、行動することを嫌がりました。しかし、高校生になって、ほんとに不思議なのですが、吃音がなくなり積極的に行動するようになってきました。

これからは物おじせず何事にも取り組んでいってほしいなぁと思っています。

この経験は息子にとっていつかきっとプラスの経験となっていきてくるのではと思うのです。

上映会の映像の中で、「ぷかぷかさんたちがこの町を障がい者の理解ある町へと自分たちで町を耕している」というナレーションを聞いて、その“耕す”という言葉が、いい言葉だなぁと、とても印象に残っています。

 

私もこれからは、ぷかぷかさんたちとふれあいながら、人としての生き方を自分の中に問い直し、自分自身を耕していきたいと思います。

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 この親子がワークショップの中で、どんな風に変わっていくのか、すごく楽しみです。