ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

「お互いさま」と迷惑をかけあえる世の中をめざしたいと思います

 映画を見た人のすばらしい感想が届きました。

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 実際の活動の現場をお訪ねしたことがなかったので、今回の映画を観られて、ほんの一部分でしょうが、ぷかぷかの雰囲気を感じることができてよかったです。
 
 障害のある彼らがいることで、この空気感が生まれると高崎さんはおっしゃいますが、実際には、彼らが居ればそういう空気感が自然に生まれるわけではありません。
 
 それは、お店を始めるときに、講師を招いて接客の研修をやったところ、マニュアル通りでは、せっかくの彼らの良さが失われてしまうと、いわゆる常識的な接客に
縛られないことを、高崎さんが、ぷかぷかが選んだからこそ生まれているものです。
 
 今の世の中、これぐらいできて当たり前、これぐらいやって当たり前という常識が
あって、これに逆らうのは、意外に大変です。それぐらいカラダに染み付いています。
 
 でも、そうだからこそ、ぷかぷかの自由な空気に、人は癒され、ぷかぷかウイルスに感染していくのでしょう。
 
 私たちも、ぷかぷかを見習って、もっともっと自由に生きられたらと思います。
 
 ある人が自立とは依存しないことではなく、依存先を増やすことだと言っています。
 
 他人に迷惑をかけないように、他人に後ろ指をさされないように、失敗しないように、神経をすり減らして生きるよりも、他人に迷惑をかけるのが人間だ!と開きなおって「お互いさま」と迷惑をかけあえる世の中をめざしたいと思います。
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 接客マニュアルによる接客が、メンバーさん達のせっかくのいい雰囲気をぶちこわしているというか、とにかく無理しているメンバーさんの姿が気色悪かったので、ああ、これはもうやめよう、と思ったのですが、それが今のぷかぷかの空気感を生み出すきっかけでした。いろいろ考えての判断ではなく、どこまでも「気色悪い」という直感です。その感覚が、社会の「規範」(接客するときはマニュアルにあわせねばならない、といった規範)よりも優先していたのだと思います。
 この「規範から自由」という感覚は、養護学校の子ども達に教わった感覚でした。

 今まで何度か書いた「フリチン少年」の話を書きます。

 

 養護学校の子ども達と出会って、いちばんよかったのは私自身が自由になれたことです。人間はこういうときはこうしなきゃいかんとか、こういうときはこんなことしちゃいけないとか、いろんな規範があって、それに縛られています。でも、彼らとおつきあいしているうちに、そういった規範が少しずつ取れてきました。

 お漏らしをしょっちゅうする子がいて、10分おきくらいにパンツをぱぁっと脱いでいました。私は

「みっともないからパンツくらいはけ」

ってパンツをはかすのですが、10分ほどしたらまたぱぁっと脱ぐのです。

 パンツをはかす、彼は脱ぐ、またはかす、彼は脱ぐ、といったことを一日何回も繰り返すわけです。で、天気のいい日は中庭に出てパンツ脱いだまま大の字になって気持ちよさそうにおひさまを仰いでいるのです。そのそばで私は陰気な顔して

「パンツはけよ」

と言い続けている。おひさまのさんさんと照る中、彼は気持ちよさそうにいい顔をしている、そのそばで私は陰気な顔をしてぶつぶつ文句ばかり言っている。

 そういうことを毎日繰り返していると、私は一体何をやってるんだ、ひょっとして彼の方がいい人生を送っているんじゃないかって思い始めたのです。彼の方が明らかにいい時間を過ごしているわけですから。私はなんてつまらない時間を過ごしてるんだと。そして結果的には、パンツをはかない子がいてもいいかって気持ちになってきたのです。

 そうすると彼との関係が楽になってきたのです。彼が大の字になって寝てる、それをおだやかな目で見られる。

「ま、いいか」

って。

「この時間、彼のいい時間だし、大事にしよう、オレも横になるからね」

って思えるようになった。そんなふうに自分の中にあったつまらない規範が少しずつ取れていった。そうすると私自身、生きることがすごく楽になってきたのです。

 養護学校に勤めて、そこで障がいのある子ども達に出会って、何がいちばんよかったかというと、この、自分自身が自由になった、そしてそのおかげで生きることが楽になった、ということです。

 

 この「フリチン少年」に教わった自由な感覚が、ぷかぷかをスタートするにあたって、とても大事な判断をしたのです。ああもうこの気色悪い接客マニュアルはやめようって。

 

 

 感想の最後にあった言葉、

 

 他人に迷惑をかけないように、他人に後ろ指をさされないように、失敗しないように、神経をすり減らして生きるよりも、他人に迷惑をかけるのが人間だ!と開きなおって「お互いさま」と迷惑をかけあえる世の中をめざしたいと思います。

 

 とてもいい言葉だと思います。「お互いさま」と迷惑をかけあえる世の中を、みんなで目指したいですね。