ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

たくさんの私と出会う

 ぷかぷかについていろいろ考えることは多いのですが、自分自身について考えることはあまりありません。66年も生きてきて、自分のことはわかっているつもりなので、そんな面倒くさいことはもういいよ、と思っていました。ところが、たまたま今受講しているネット上の学校「イシス編集学校」で「たくさんの私」に会いに行こう、というテーマで自分自身のことを考える機会がありました。今更たくさんの私でもないだろうと思っていたのですが、ところがどっこい、この「たくさんの私」に出会ってしまいました。この年で、こんなにたくさんの私に出会うとは思ってもみませんでした。いや〜、おもしろかった!のひとことです。

 

 自分自身を編集する稽古、とありました。つまり自分を「要素」「機能」「属性」といった視点から、多様な「私」を見つけていきます。「要素」「機能」「属性」の具体的な中身は自分で決めていきます。

 これで多様な「私」を見つけていく、といってもあまりにも漠然としているので、ルールがありました。

 

ルール1:表現形式は「私は○○である」という単文にする。一度使った表現は使えない。たとえば「私は人間である」と書くと、それ以降「人間」という表現は使えない。

ルール2:○○の前に修飾する言葉を加える。「私はおっちょこちょいな人間である」といった具合。

ルール3:回答は30個以上あげる。

 

 え〜っ、30個以上?そんなに見つかるの?と思いました。ふだん自分についてそれほど考えたこともないので、そんなにたくさんの自分が見つけられるだろうか、と思いました。でも、イシス編集学校は3日おきくらいに新しい「お題」が送られてくるので、どうこう考える暇もなく、とにかく必死になって30個探しました。

 ところが実際にやり始めると、思いのほか次々に言葉が出てきて、多様な「私」が次々に登場し、自分のことながらちょっとびっくりしました。こんな具合です。

 

1) 知的障がいのある人たちに惚れ込み、彼らと一緒に働くパン屋を作ってしまった変なおっちゃんである

2) そのパン屋を作るために退職金を全部使ってしまい、今とても貧乏人である。

3) 家に退職金を入れるのを全く忘れていた、救いのないボケ老人である。

4) そのために家では小さくなっている家の主である。

5) 老後はのんびり生活をする予定が、寝る間もないくらい忙しい生活になってしまった「困ったさん」である。

6) それでもほとんど後悔していない楽天家である。

7) 国産小麦、天然酵母のおいしいパンを作るパン屋の店主である。

8) 障がいのある人たちの働く福祉事業所の施設長である。

9) 「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージを日々発信しているメッセンジャーである。

10) Facebookページで毎日記事を5,6本アップしているFacebookマニアである。

11) 毎日のようにホームページを更新している管理人である。

12) アクセス数8万人のホームページを5年かけて作った素人ホームページメーカーである。

13) ホームページに膨大な情報を詰め込んだ情報整理人である。

14) ホームページ、Facebookページに小さな物語を積み重ねている語り部である。

15) Facebookページのつながりを使って、みんなで新しい物語を作り、芝居をやっちゃおうかと密かに考えている陰謀家である。

 

 ふだんのそのままの自分を追いかけただけですが、表現する言葉をちょっと換えるだけで、こんなにも多様な「私」がいたことに、ちょっとびっくりしました。表現する言葉を探す作業はおもしろかったですね。そうか、こうやって多様な「私」と出会うんだと思いました。

 

 この回答に対し「師範代」と呼ばれる方からすばらしいアドバイスというのか「指南」が送られてきました。これが毎回センスがあって、それを読むだけでいろんな新しい発見があり、なんともすばらしいのです。こんな具合です。

 

 

《 驚きのストーリー仕立てとなりました♪^^

  脳のなかの「意味単位のネットワーク」が無限に続いていきます。

  ひとつでれば、芋づる式にどんどん次の想いが溢れ出てきますね。

  うんうん。どんどん連鎖していく快感を感じます。いいですねぇ。 》

 

 

 うれしくなるような「指南」です。背中をぐいぐい押してくれて、うまいなぁ、と思います。

 

 

《  おっちゃん→貧乏人→ボケ老人→家の主 …etc

   属性もどんどん軽やかに変わっていきます。 》

 

 

 そうか、あれは「属性」だったのか、とまた発見。ほとんど意識しなかったのですが、自分自身の表現の仕方を考えることは、「属性」を考えることでもあったんですね。無意識のうちに「属性」からたくさんの自分を探していたというか…

 

 

《 おもしろいのは、ほぼ同じような場所に「注意のカーソル」があたりながらも、多様に言い換えができていることですね。

 

  メッセンジャー > Facebookマニア > 管理人 

     >ホームページメーカー > 情報整理人 > 語り部 

 

  へと変貌する姿はお見事ですね。

  まさに、コップの多様性を見つけた時と同じように、ひとつの行為の中での、多様な自分の姿を見つけてくれましたね。》

 

 

 ほとんど意識せず、ただ違う表現を探しただけでしたが、

 

《 ひとつの行為の中での、多様な自分の姿を見つけてくれましたね。》

 

なんていわれると、そういうことだったのか、とあらためて自分のやったことを振り返ったのでした。表現する言葉をちょっと変えるだけで、多様な自分が見つかる、という発見は、自分をとても豊かにしてくれるように思いました。

 

 

16)  やりたいことがあったらすぐに行動に移す熟慮欠落人間である。

17)  段ボールで作った大きなクジラの写真を撮りながら、これが空を飛んでいたら楽しいだろうな、と思い、そんな空飛ぶクジラを見たら、なんてつぶやきますか?とFacebookページに投稿した投稿マニアである。

18)  いつも見る前に飛んでしまう飛び男である。

19)  でも、それ故に思ったことはわりと実現してしまう本気屋である。

20)  夢は実現可能なものを追いかける実利的夢想家である。

21)  飛び男なら、クジラといっしょに空を飛んでみたいと思っている空想家である。

 

 

《 ここは形なき高崎さんの性質を捉えていると言えそう。

  どの「わたし」も、いつも真剣に全力で夢を追いかける高崎さんのエネルギーを感じます。

 

  形容の仕方を変えるだけで、ひとつのキャラクターがこんなにも枝葉を広げて表現することが可能なんですね。 》

 

 

 連想ゲームのように書いただけでしたが、

 

《 形容の仕方を変えるだけで、ひとつのキャラクターがこんなにも枝葉を広げて表現することが可能なんですね。》

 

なんて書かれると、そうか、こんなことをやっていたんだと、自分のやっていたことの意味を再発見したりしました。ここがこの「イシス編集学校」の「指南」のすばらしいところだと思います。連想ゲームのように、チャッチャッとやっただけでしたが、多様な私を見つけるための大事な作業であったことに気がつきました。

 

 

22)  その一方で、パン屋、カフェ、お惣菜屋、アートショップの4店舗を経営する夢ばかり追う経営者である。

23)  三つの店舗が並んでいるので「ぷかぷか三軒長屋」と名付け、その長屋の住人である。

24)  ぷかぷか三軒長屋は、やってきた人がただ商品を買うだけでなく、ここに来るとちょっとホッとしたり、自分を取り戻したりする小さな町になっていて、そこの町長補佐である。

 

 

《 経営者や住人、町長補佐は、社会的な位置づけ(属性)ですね。今まで、自分のことを自分で見るような近い距離間で捉えていましたが、ここで、

  外部の人の目(離れた視線)がはいってきました。》

 

 視線の「距離感」の指摘はすごいなぁ、と思いました。私は適当にこういう言葉を使っただけだったのですが、そういうことだったのかとあらためて納得しました。

この「適当」という感覚も隅に置けないと「指南」を読みながら思いました。

 

 

25)  三軒長屋の町長はなんといっても障がいのある人たちで、その人たちがいるから人が集まり、私はそのことをホームページで伝える宣伝マンである。

26)  Facebookページに日々投稿する写真を撮っているカメラマンである。

27)  毎日100枚~400枚に写真を撮り、その中から投稿する写真を5,6枚選ぶために膨大な時間を費やす時間浪費家である。

28)  どこまでもいい写真にこだわるこだわりの強い人である。

 

 

《 多様な仕事の役割りをもつ高崎さん。

  高崎さん自身だけではなく、高崎さんを取り巻く仕事の多様性も見えてきます。》

 

 あれもやりたい、これもやりたい、あれもやらねば、これもやらねば、と思っているうちにこんなにもいろいろな仕事をやっていたのですが、この多様性があるから《ぷかぷか》がこんなに楽しいんだと思いました。

 

29)  ファインダーを通してみる障がいのある人たちの素直な顔にうっとりする幸せ人間である。

30)  今の仕事が大好きな仕事人である。

 

 

《 ここは、どちらも幸せと仕事が連動していますね。

 

  仕事をしているから幸せな人

  幸せな仕事人

 

 属性と形容を前後入れ替えることも可能なんですね♪

 新しい発見でした! 》

 

 

 ここも大して考えもせず、ダ〜ッと勢いで書いたのですが、そうか、幸せと仕事が連動していたんだ、と思いました。これも考えてみれば、障がいのある人たちがそばで働いてくれているおかげ。彼らに惚れ込んで本当によかったと思います。

 

 ひとりでやっていたら、こんなにもたくさんの新しい発見はありませんでした。「師範代」とのやりとりのおかげで、倍以上の発見があったと思います。これはネット上のワークショップですね。感謝、感謝です。

 

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 【イシス編集学校のおもしろさがだんだんわかってきました。イシス編集学校についてはこちらmailto:http://es.isis.ne.jp  まだはじめて一ヶ月ですが、こんなにおもしろい世界があったか、という思いで3日おきくらいに届く《お題》を考えています。】