ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

タケちゃん


 タケちゃんは近くの小学校の個別支援級に通う自閉症の男の子。今まで何の関係もなかったのですが、映画「うまれる」の上映チケットを購入したお母さんが映画を見る間、多分落ち着いて映画を見られないタケちゃんを私が面倒を見ようということになり、そのために事前にタケちゃんと「お友達」になっておこうと思ったのです。

 で、パン屋に連れてきてもらったのですが、入り口でいきなり、「わ~!いやだ!」と大声出して、騒ぎ始めました。お母さんの話だと松ぼっくりが苦手なんだとか。お店にいたスタッフが慌てて松ぼっくりを片付けました。タケちゃん、お母さんになだめられて、恐る恐るお店に入ってきました。私と握手を交わし、自己紹介。

 パン屋ではお客さんに感謝の気持ちを込めて、利用者さんが描いた「ありがとうカード」を手渡しています。そのカードをタケちゃんも描きたいと言い始めました。同じくらいの大きさの白い画用紙と色鉛筆を渡して好きなように描いてもらいました。なにかのきっかけで、そばにいたツジさんがブルガリアの国旗を描いてあげてたりしてましたが、こういう突然始まるおつきあいがおもしろいですね。

 結局その日は完成しなくて、次の日にしっかり描き上げたタケちゃん特製の「ありがとうカード」を持ってきました。タケちゃんは他のカードと同じ扱いでお客さんに渡して欲しいみたいでしたが、すばらしいできだったので、記念にとっておいた方がいいと思いました。それで、お客さんに渡してしまうと、このカードはタケちゃんの手元に残らないんだよ、すごい上手にできたので、記念にとっておいた方がいいよ、と説得しましたが、どうしてもお客さんに渡して欲しいと言い張ります。いわわせた何人かのスタッフがみんなもったいないよ、と言ったのですが、お客さんに渡して欲しいの一点張り。

 じゃあ、いちばん目立つカウンターの後ろの壁に貼りだして、いつもお客さんに見てもらうのはどう?と提案したスタッフがいて、それならいい、とようやく納得。お母さんといっしょにパンをたくさん買い、ご機嫌な顔をして帰っていきました。

 タケちゃんとはまだ三日しか会ってないのですが、人と人の間にある「垣根」のようなものが全くない人だなと思いました。お店に来て、みんな初対面なのに、ずっと前から知り合いだったように、何のためらいもなく溶け込んでいました。

 こうやって霧が丘でどんどん関係を作っていってほしいなと思うのです。タケちゃんが霧が丘で生きていくために必要なものは、ハードな設備ではなく、あくまでやわらかな人間関係です。ぷかぷかとのおつきあいが、そういう関係の広がりのきっかけになってくれればいいなと思うのです。

 ぷかぷかも、地域の障がいを持った子どもたちが気楽に出入りできるお店でありたいと思います。

 映画「うまれる」は、上映する前からこんなすてきな新しい関係を作ってくれました。明日の上映会のあとはどんな関係が広がっていくんだろうと、今からわくわくしています。


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