ぷかぷか日記

ぷかぷか理事長タカサキによる元気日記

ぷかぷか日記は以下に移転しました。
ぷかぷか日記 – NPO法人ぷかぷか

ぷかぷかさん達に会いに来るのが本当に楽しみになっています

 11月23日、久しぶりのパン教室 。

f:id:pukapuka-pan:20181125233805j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125234247j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125234350j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125234412j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125234421j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125235710j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125235726j:plain

こねた生地を休ませる時間に突然ダンスが…

f:id:pukapuka-pan:20181125235842j:plain

相変わらずはちゃめちゃなパン教室

www.youtube.com

f:id:pukapuka-pan:20181126000017j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126000134j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126000613j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001252j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001258j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001438j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001510j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001621j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001646j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126001749j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126004905j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126002139j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126002356j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126002408j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126002535j:plain

 全盲のけいじろう君もお母さんと一緒に包丁使って調理

www.youtube.com

 けいじろう君はオペラ「ロはロボットのロ」の大ファン。2回も見に来ました。

pukapuka-pan.hatenablog.comm

 

f:id:pukapuka-pan:20181126003156j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126003229j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126003250j:plain

 

突然ダンスが始まったり、歌が始まったり、はちゃめちゃなことをやりながらも、ちゃんとおいしいパンを焼くところがぷかぷかパン教室。

f:id:pukapuka-pan:20181125232839j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125232923j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125233028j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181125233045j:plain

 

f:id:pukapuka-pan:20181126004024j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126004034j:plain

 

 

 

 地域のお父さんがすばらしい感想を寄せてくれました。なんとハヤチャンに人生相談に乗ってもらったそうです。

●●●

 本日は、パン作り教室に参加させて頂きました。今回もとても楽しい経験となりました。いつも有り難うございます。

 ぷかぷかさん達の不思議な魅力は、初めて会う方も数分で昔から知ってるような感じになり、何度も会ってる友人とも毎回新鮮な感動があり、ぷかぷかさん達に会いに来るのが本当に楽しみになっています。 そして毎回驚かされるのが、成果物のレベルの高さです。今回のパン作りも、流石プロのパン職人が揃っているだけに、コネ方から手際の良さ、焼き上がりの美しさに味の美味しさと、職員の方とぷかぷかさん、参加者の連携で片付けまでレベルが高いです。 いつもぷかぷかのパンを美味しく頂いておりますが、素材の良さは勿論、こんな感じで作っていればそれは美味しいだろうなと納得です。   『障がいのある方とパン作り教室』と言うと、障がい者"支援"で、"健常者"がボランティアとして赴いて、障がいのある方を手伝ってパンを作りあげる、なんてイメージをされる方もいるかも知れませんが、自分の感じた事では、ぷかぷかでは全く違います。 パン作りや雰囲気作りがとても上手で、楽しませてくれる人達が居るところに、純粋に楽しむ為に、パン作りを教えて貰うために、参加させてもらって、想像以上の楽しい体験が出来るという、そんな場です。そこに"支援"という言葉は出てきません。まさに高崎さんが仰っている『共に生きる』です。それはとても自然な事だと思います。

 そして今回は、終わりの会でも少しシェアしましたが友人のはやちゃんに悩み相談にのって貰いました(笑)。 ひょんな事から「夫婦喧嘩になるといつもやられて辛い」と言う話しになったら『勝とうとするから辛い訳で、敢えて負ける事も必要だよ』と彼の妹との喧嘩の例を出して説明してくれました。なるほどっ!と思いました。

f:id:pukapuka-pan:20181126004153j:plain

自分は割りと柔軟な考えで若い人からの意見や指摘も抵抗なく受け入れる方ですが、それでもここまで一回り以上年下の人の意見が凄く突き刺さる事は希でした。それはきっと、柔軟なつもりでいても何処かで、年上だから、上司だから、父親だから、大人だから、と何かしらの仮面も着けているからだと思います。 はやちゃんの前では何者の仮面も着けていない、本質的な自分を自然にさらけ出して向き合っているから、彼の言葉が刺さったのだと思います。それは、はやちゃんが常に彼自身自然体で生きているから、そしてぷかぷかさん達が作りあげるあの空気がそうさせるのだと思います。誰一人異常に飾り立てる事もなく、仮面を着ける必要もなく、異常に空気を読む必要もなく、とても心地よい、生きやすい空気です。 これは、本当に面白い貴重な経験でした。 共に生きることで、こんなに面白い経験も出来るんですね。

 以前の感想にも書きましたが、この空気こそが社会が豊かになるために必要だと思います。 そんなぷかぷかさん達の造り出す空気が楽しみでこれからも通わさせて頂きます。 これからもどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

「隣に住むおばあさんにも届く言葉」を探す

 神奈川新聞の「時代の正体」に津久井やまゆり園事件を書き続けてきた成田洋樹記者の講演を聴きに行きました。

www.kanaloco.jp

 津久井やまゆり園事件から見える「時代の正体」は多岐にわたる問題が山積みです。「不寛容な時代」「分断社会」などに象徴される「世相」の問題、「個人の権利が保障され、多様性が認められる場になっているか」が問われる「教育」の問題、「当事者主体の支援」「地域と多様性」といったことが問われている「福祉」の問題、「障がい者差別と民主主義の問題」等々、津久井やまゆり園事件を掘り下げていくと、この社会が抱える様々な問題が見えてきます。この社会は一体どうなっていくのだろうと、頭がくらくらしました。

 

「変わった考えの人が起こした事件として人ごととしてとらえる社会、教育や福祉の現場。根底には障害、能力、学力などで人を分ける社会、教育、福祉がある。障がい者差別の芽はこれまでも今も、私たちの暮らす社会にある。」と成田さんは指摘します。

 今回の講演会は定員60人が満席でしたが、集まったのは事件に関心のある人たちばかり。成田さんの指摘を一番受け止めて欲しい人の所へはメッセージが届いていない気がしました。事件を人ごとのように受け止めている人たちに届く言葉を私たちはもっともっと真剣に探す必要があると思いました。

 私が学生の頃、朝日新聞の論壇時評を担当していた哲学者の鶴見俊輔さんは「隣に住んでいるおばあさんにも届く言葉で書かなければ意味がない」と論壇時評に書かれていました。当時学生運動の中で難しい硬い言葉に慣れきった私にとって、もうぶん殴られたというか、ほんとうに目が覚めた気がしました。今もその言葉を大事にしています。経験的には、誰にもわかるやさしい言葉で書くことで、私自身にも問題がはっきり見えてくる、ということがありました。やさしい言葉で書くのは、難しい言葉で書くよりも大変です。でもその大変さの中にこそ、見えてくるものがあるのです。

 ぷかぷかの近くにある創英大学の学生さんとぷかぷかさん達の素敵な出会いの物語を学生さん達と一緒に絵本にしようと思っています。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 子ども達にどうしてぷかぷかさんとの出会いの物語を届けるのか、という問いの中で、今の社会の中での障がいのある人たちに対する差別の問題を一緒に考えていくつもりです。その中で当然津久井やまゆり園事件も考えます。どんな言葉で語れば学生さん達と事件を共有できるのか、をさぐっていきたいと思っています。

 こんなふうに、昨日の参加者達が、それぞれの現場で「隣に住むおばあさんにも届く言葉」を探す作業が必要なんだろうと思います。今まで何の関心も持たなかった人たちと事件を共有できる言葉です。

 

 「犯人がもしコンビニで働いていたら、犯行に及んでいただろうか」というある施設長の言葉の紹介は、事件の本質を物語っているように思いました。「植松被告は入所施設で働いていたからこそ、極端な考え方をエスカレートさせたのではないか」と。

 にもかかわらず事件の半年後に横浜市で開かれた施設職員研修の全国大会で他県の職員は「あのような人物を採用したことが間違い」「不審者に備えて、身体を拘束するさすまたの研修を行った」と、どこか人ごとのような響きだったと「時代の正体」にはありました。

 私は津久井やまゆり園事件に関するブログを90本あまり書いていますが、そのために二つの福祉ネットワークから排除されました。私は成田さんとは違う視点で福祉の現場における「支援」という関係性を問題にしていたのですが、現場にいる人にとってはふれて欲しくないことだったのではないかと思います。

 でも福祉の現場の問題こそ、現場の人間が考えていかないと、問題は解決しません。結局犠牲になるのは当事者の人たちです。重度障害の人たちは声を上げることがとても困難です。現場の人間が問題に気づき、「これはおかしい」と声を上げていくしかないのだと思います。

 7月21日に放送されたNHKスペシャルでは津久井やまゆり園で12時間も拘束された女性の話が紹介されていました。「これはおかしい」と誰も声を上げなかった福祉の現場の異常さ。そこをどうすれば変えられるのか,ということです。

 そしてこういった問題は津久井やまゆり園だけではない、という成田さんの問題指摘に福祉の現場はどう答えていくのか。気が遠くなるほどに根が深い気がします。

 そんな中で、明日もぷかぷかさん達はいつものように社会を耕します。ここにこそ新しい未来があるように思います。

 

 

 

障がいのある人とおつきあいすると「得する」って、こういうことかなとも思いました

 ぷかぷかの近くの創英大学で簡単な演劇ワークショップをやりました。三回連続の講座で、1回目は映画『Secret of Pukapuka』の上映と私の話、2回目はすごろくワークショップ、そして今回の演劇ワークショップです。回を重ねるにつれて、ぷかぷかさんのおかげで、学生さんの心と身体がどんどん自由になってきました。

 学生さん達の顔を見てください。障がいのある人たちとの関係の中で、こんなにいい顔のできるのが演劇ワークショップです。今回やったのは「ネーム&アクション」「早並び競争」「ドラゴンテイル」「笑いの階段」「マルマルマル」「ギブミーシェイプからお話作り」などです。

 

f:id:pukapuka-pan:20181122141633j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181122141730j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181122141431j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181122140256j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126212309j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126212424j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126212649j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181127000458j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181126212801j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181127000332j:plain

 

 

 

 全部で1時間くらいでしたが、そのわずかな時間で、こんな笑顔でつきあえる関係が演劇ワークショップではできるのです。

 創英の学生さん達は、この連続講座と平行して三日間ぷかぷかに来て体験実習を行っています。今まで障がいのある人たちとほとんどつきあったことがなかった人たちが、みんなぷかぷかさんたちととてもいい出会いをしています。

 ぷかぷかさんとおつきあいするとすごく楽しいので、今度創英でぷかぷかさんを呼んでクリスマス会をやろうという話も持ち上がり、今準備が進んでいます。学生さんとぷかぷかさんで打ち合わせもします。クリスマス会では学生さんとぷかぷかさんが一緒にクリスマスにまつわる簡単な芝居をやるかも知れません。

 ぷかぷかさんたちが地域の人たちといっしょにやっている演劇ワークショップの大道具作り、小道具作りが本格化するので、学生さん達に手伝ってもらう予定でいます。ぷかぷかさんたちと一緒に作ります。自分が制作に関わった大道具、小道具が、来年1月27日(日)みどりアートパークホールの舞台で活躍します。

 更に、今回のぷかぷかさん達とのすばらしい出会いを絵本にまとめよう、という話もあります。今回見つけた宝物のような出会いを絵本という形で子ども達に伝えようというのです。学生さんは子ども教育学部。将来相手にする子ども達を頭に浮かべながら絵本を作ります。内容、構成は学生さん、絵はぷかぷかさんが描きます。学生さんとぷかぷかさんとのコラボで絵本ができるのです。

 クリスマス会も、大道具、小道具作りも、絵本作りも、ここはもう小さな「ともに生きる社会」です。

 

 今回の出会いを小さな子ども達に絵本を通してどうやって伝えればいいのか、学生さん達は一生懸命考えます。ぷかぷかさんとの出会いを、そういう形で振り返ります。出会いの意味を考えます。考えることが、絵本という形になります。絵本はともに生きる社会を作る手がかりになります。

 そもそもどうして今回の出会いを子ども達に伝えるのか、といったことも考えます。それを考えることは、今の社会を考えることです。社会の中で障がいのある人たちはどのように位置づけられているのか、彼らと私たちの関係はどうなっているのか、を考えることです。2年前の相模原障害者殺傷事件は単なる犯人の特異性だけで済ませていい事件なのか、といった問題も、これを機会に学生さん達と一緒に考えていきたいと思っています。

 絵本作りは、ですから、ただ単に絵本を作るだけではなく、学生さんにとっては、社会を、その中での自分の生き方を考える、すばらしい機会になると思います。

 

 最近おつきあいのある協進印刷さんは、学生さんとコラボしながら絵本を作っています。そこに相談しながら、しっかり読んでもらえる本物の絵本を作りたいと思っています。

www.kyoshin-print.co.jp

 

 製作の資金面では、内容的に「ともに生きる社会」を作っていく上での手がかりになるような絵本なので、共生社会を作るべく活動をしている県の共生社会推進課に相談しようと思っています。もしお金を出してもらえれば、今回制作する絵本はたくさんの保育園、幼稚園などに配布することができます。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージが、小さな子ども達にもわかりやすいやさしい言葉と絵でたくさんの子ども達に伝わるのです。「ともに生きる社会」に向けての、大事な種まきになります。

 県民のこういう活動を支えてこそ、「ともに生きる社会」はみんなで作っていくもの、になるのだと思います。「ともに生きる社会かながわ憲章」のサイトには「私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます」とあります。今回の企画は、憲章の実現を本気でやろうというものです。 

 何よりも、相模原障害者殺傷事件を超える社会は、アーダコーダの議論の果てにあるのではなく、こうした小さな実践を積み重ねてこそできあがっていくものだと思います。

 

 絵本制作は創英の学生さんと話しながら唐突に持ち上がった企画ですが、いろいろ考えていくと、こんなふうにいろんな意味を持っていて、「ともに生きる社会」に向けて、ちょっとわくわくするような企画です。ここから新しい物語が始まります。時々進捗状況を報告します。

 

学生さん達の演劇ワークショップの感想

●ぷかぷかさんと交流してみて体全体を使ってコミュニケーションをとることができました。波の動きや城などグループになり、1つの絵になってとても思い出となりました。それぞれ波の音の表し方や城などの形のイメージを学ぶことになったのでとてもよかったです。

 

●身体全体を使ってコミュニケーションを取り合うことができたのでとてもよかったと思います。私はまだぷかぷかさんの体験をしていないのでとても楽しみになりました。体験を通じて学べることはまだまだあると思うので意識したいです。

 

●今回、体で表現する中でぷかぷかさんの様々な表情を見ることができ、楽しむことができました。3つのグループに分かれて、みんな個々のイメージを持ってその表現している姿を見て楽しむことができ、グループで一緒になって考えることで1人ひとりの考えている事の違い、また学生とぷかぷかさんが考えていることの違いがあり、面白いと感じました。ぷかぷかの活動に行ってからの2度目の授業だったので、ぷかぷかさんと関わりやすく楽しい時間、環境だと感じました。

 

●今日ぷかぷかさんと体を使って大きな声で交流することができ、リラックスして行うことができました。みんな楽しそうにしていて心の底から笑うことができました。すでに2回実習させていただきぷかぷかさんと一緒に過ごすことが楽しくて、もっともっと

関わりを持っていきたいと思いました。絵本の話もとてもわくわくしました。私は絵本が大好きでそれを一からぷかぷかさんと作れるのが本当に楽しみで幸せだと思いました。

 

●2回目の交流でコミュニケーションだけではなく体を使ってコミュニケーションをとり、難しい面、楽しい面もあり、とても良い経験でした。今回のワークショップをやってみてとても楽しかったです。演劇はやったことがあるので、とても興味があり今後のワークショップもいってみたいなと思いました。

 

●今回のこのワークショップをしてみて感じたことは体を一緒に動かすことで仲が深まったと思い、またいろいろな事で触れ合いたいと思った。

 

●今日の活動は私自身心から楽しんで取り組むことができました。その心があってか、ぷかぷかさんと素の心で関わることができ、ぷかぷかさんの本質を感じながらふれあう事ができました。「得する」ってこういうことかなとも思いました。私の中であたらしい感覚に出会えて、本当に良い経験になりました。ぷかぷかさんの体験はこれからなので、次ぷかぷかさんと会えるのが楽しみになりました。

 

●前回のすごろくワークショップと違って体等を使って動かしたりしたためとても楽しかったです。学生の方が動きがかたく、ぷかぷかさんの方が、良い動きをしていたので見習いたいと思いました。

映画を見て、自然と自分もあたたかい気持ちになった。

 ぷかぷかの近くの東洋英和女学院大学でぷかぷかの映画『Secret of Pukapuka』を上映したあと、私がぷかぷかの話をしました。上映会のあとは学生さんからほとんど話が出てこなくて、ぷかぷかのメッセージが届かなかったのかなぁ、と心配していました。でも、感想にはすばらしいものがありました。ちゃんと見ててくれたんだ!とうれしくなるような感想でした。学生さん達の新鮮な目でぷかぷかを受け止めてくれました。その一部を紹介します。

 

●時々ぷかぷかにいる障がい者の方と同じバスに乗ることがある。「近くの施設の人かな」程度にしか気にしていなかったが、今日映画を見て、あんなにたくさんすばらしい活動をされていると知って驚いた。映画にはよくふだんバスで見かける人も写っていて、ステージでも前の方で活躍していて、本当にすごいと思った。

(高崎コメント:ぷかぷかさんはあんな風にして地域社会を耕し、地域社会を豊かにしています。ぜひあそびに来て下さい。映画よりも、もっとすばらしいものが見つかります。)

●今まで障がいのある人はできることは限られていると思っていました。しかし、映画を見て、ぞれできることや、幸せを感じることに違いがあることがわかりました。また、たくさんの人とふれあい、みんなが笑顔で活動していて、何事も楽しんでやっている姿に私も笑顔になりました。人を笑顔にして、自分も笑顔になれる活動はとてもすばらしいことだと思います。

(高崎コメント:みんなが笑顔になれるのは、毎日がすごく楽しいからです。仕事が楽しいからです。ぜひぷかぷかさんの笑顔に会いに来て下さい。きっとあなたも笑顔になりますよ)

●私たちは日常生活を送っている中で、障がいを持った方と関わる機会はほとんどないと思います。だから障がいを持っている人に対して、よいイメージをもっていない人が多いのだと思います。しかし実際に関わってみると、ぷかぷかさんにいる人たちは、何に対しても、とても一生懸命で、とたとえば計算がとても得意だったり、劇での演技がうまかったり、人に対して元気を与えられる方がとても多いのだと思いました。

 ぷかぷかでは小さい子どもから、高齢者の方、いろいろな地域の方とふれあう場面があって、障がいがあってもなくても、一緒に生活できる環境が整っているのだと思いました。

 障がいを持っている、持っていないで分けられて生活することが多いけど、みんな一緒に生きていける場がたくさん増えていって欲しいと思いました。

(高崎コメント:ぷかぷかには外の世界と分ける敷居がありません。出入り自由です。いろんな人がやってきます。いろんな人が来るから、ぷかぷかは豊かになれます。ぜひあそびに来て,その豊かさにふれて下さい。)

●ぷかぷかさんというネーミング、とてもチャーミングでかわいいと思いました。映画を見て一生懸命がんばっている姿や、自由に楽しそうに生きている姿を美しいと感じた。障がい者の方々とふれあうことができたら、自分自身の度量が広がっていくのではないだろうかと思います。

(高崎コメント:ぷかぷかさんとおつきあいすると、自分の人間としての幅が広がり、豊かになります。ぜひぷかぷかに来て彼らとおつきあいしてみて下さい。いいものがたくさん見つかります。)

●こんな学校の近くに障がい者の方と健常者が交流できる場があるとは知らなかった。子ども達もその親も、映画から伝わってくる楽しさがすごくて、パン作りの雰囲気がとてもよかった。

(高崎コメント:パン教室、時々やっていますから、ぜひ来て下さい。すごく楽しいです)

●自閉症のことはよく知らないが、他人と関わることを避けるイメージがあって、でも販売をしたり、みんなの前で何かをする、というのを見て、イメージが変わりました。ぷかぷかにいることによって、そのように変われるのかなと思います。とても素敵だと思いました。

(高崎コメント:自閉症の方は、おつきあいするととても楽しいです。ぷかぷかに来て、ぜひおつきあいしてみて下さい)

●ぷかぷかさんのファンの方がおっしゃっていましたが、彼らと接することで自分はすごい存在ではなく、彼らと同じ目線で見ることができる、という言葉が印象的でした。彼らと接することで、自分たちの認識も変わるし、自由な気持ちになれるのだと感じました。ぷかぷかさんのファンが増える気持ちがとてもわかるような気がします。

(高崎コメント:ぷかぷかにあそびに来て、ぜひファンになって下さい。世界の見方が、きっと変わります。)

●来週はぷかぷかの人たちとワークショップをやるそうだが、正直不安だし、怖いなと思う。以前に知的障がい者の人にボディタッチされたことがあって、若干トラウマだから不安がある。

 映画の中に、よくバスの中であう人たちも出演していた。バスの中で話しかけられて,いやな思いとかしていたが、このような活動をしているのを知って、少しだけ優しい?受け入れる?という気持ちになった。やられたことは嫌だけど、障がい者の方々も様々な個性があり、行動にそれが強く表れているなと感じた。

 フォローしすぎず、彼らにいろいろやらせてみるという活動に感動したし、なるほどと感じた。障がい者の方々って、何から何まで他の人々にフォローされがちな場合が多いと感じていたが、彼ら自身にまかせ、我慢させないというのはとても人間らしいなと感じた。

(高崎コメント:昔いやな思いをしたのに、ぷかぷかの映画を見て、少しやさしい気持ちになれたんですね。すごくうれしいです。ぷかぷかに来て、ぷかぷかさん達と一緒に楽しいことやれば、もっとやさしい気持ちになれますよ。)

●話が面白くて、自分が知らない世界が見れてよかったです。

(高崎コメント:ぷかぷかにふれることで、世界が広がったんですね。ぷかぷかに遊びに来ると、もっと世界が広がりますよ)

●障がいのある人と共に生きていくことはとても難しいことだと思う。障がいのある人への偏見をなくすことは,私たちが障がいのある人のことを“知る”ことが必ず必要だと思う。私は正直今も障がいのある人が同じバスや電車に乗っていると,遠くに行き、距離をとってしまいます。それは小さい頃、バスに乗っていたときに、同年代の全く知らない男の子が抱きついてきて、泣いても泣いても離してくれなかったというトラウマがあるからです。そのときは「障害」というものを知らなかったので、より怖かったのです。その体験があったからこそ、今になって、彼らと私たちがどうともに生きていくか考えなければいけないと思いました。

(高崎コメント:ぷかぷかさん達と楽しくつきあってみてください。きっといろんなことが見えてきます。「どう共に生きていくか」なんて硬い話ではなく、一緒に楽しいことやるだけです。12月17日(月)の午後、創英でぷかぷかさんを呼んで楽しいクリスマス会をやるそうです。都合がつくようでしたら、ぜひ来て下さい)

●私の身近な人に自閉症スペクトラムの人がいます。正直、今までふれたことのない領域で、最初はどのように接したらよいのかわからないこともありました。でも一緒にいる時間が長くなっていくうちに,やっぱり一人の人であることには変わりはないし、なぜ接し方を悩んでしまったのだろうと感じました。今では本当に大切で大好きな存在です。

 今回の映画を見て、話を聞いて、このような場所があるだけでたくさんの方が救われていると思うし、ここで働いている人にとって大切な居場所になっていることがとても大きなことだろうと感じました。

(高崎コメント:一緒にいる時間が長くなっていくうちに、大切で大好きな存在になったという話、すばらしいですね。やはりおつきあいすることで相手のことが見えてきて、そのことであなた自身が豊かになったんだと思います。)

●障がい者の方とつきあうことで「自由になれた」という高崎先生の言葉がとても印象的でした。障がい者の方との交流を一般的には避けがちな印象がある日本の社会の中で、私自身も障がい者の方と交流をした経験がありません。交流することは「難しい」ことだと思っていましたが、交流の中でそのような新たな発見があることは初めて知りました。避けず、難しいと思わず、一度交流してみたいなと思いました。そこから新しい発見を見つけたいです。

(高崎コメント:ぷかぷかにあそびに来て、私の言った「自由になれた」という言葉がどこから生まれたのか、ぜひ確かめて下さい。「新しい発見をしたい」という前向きの言葉がすばらしいですね。彼らには学ぶことがたくさんあります。) 

●たとえ障がいを持つ人であっても、人がトラウマを持つかも知れない行為を許すことはあってはならないと思う。それを許すことそれ自体はその人のためにはならない。

(高崎コメント:おっしゃるとおりです。ただ障がいのある人は、人とのおつきあいの仕方がよくわからない方もたくさんいます。特に自閉症と言われる方は、人との関係の取り方が、あまり上手ではありません。映画に出てきた計算の得意なツジさんは、そのあたりが顕著です。それでも彼にはすばらしい魅力があって、外販の売り上げの多くの部分を彼の魅力が作り出しています。おつきあいの仕方がヘタであっても、それを超える魅力を持っている方はたくさんいます。それを私たちが見つけられるかどうかということだろうと思います。そのことで私たちは豊かになっていきます。私たちの価値観で一方的に障がい者はだめ、と思い込むことは、すごく「損」をしている気がします。ぜひぷかぷかに来て、ツジさんたちとおつきあいしてみて下さい。いろんな新しい発見があると思います。)

●少し人と違うからと言って差別するのは違うと思います。

(高崎コメント:おっしゃるとおりですね。社会にはいろいろ違う人がいるから,社会は豊かになります。違う人を差別し、社会から排除してしまうと、社会はやせこけていきます。社会の幅が狭くなり、お互いが窮屈になります。)

●子どもと接しているぷかぷかさんや、働いているところを見て、あらためてすごいパワーだと思いました。一人ひとり個性があって、バラバラで、素敵だと感じました。ふつうの人ができることができて、「すごい」という評価になりがちだけど、障がいのない人よりも優れているところも多いということがわかった。

 高崎先生のお話の中で、(障がいのある人たちを)支援しているのではなく「支援されている」という言葉を聞いて、同じ目線どころか、(彼らに)すごく感謝している感じが伝わってきました。

 ぷかぷかで働いている人や、ぷかぷかに出会えた障がいの方はとても幸せだなと思います。私も一度行ってみたいと心から思いました。

(高崎コメント:ぷかぷかに出会えて幸せを感じているのは障がいのある方だけでなく、健常者といわれている人たちもみんな幸せを感じています。だからファンが増えるのです。ぜひぷかぷかに来て、その「幸せ感」を感じてみて下さい)

●たまにバスでぷかぷかの方たちを見かけるのだが、最初は私も好奇の目で見てしまっていた。しかし今日の映画を見て、自然と自分もあたたかい気持ちになった。またパン作りできた人みんなが笑顔になれたことはとてもすごいことなのだと感じた。

 私もバイト先で接客をしているのだが、マニュアル通りの接客をしていて、お客様を怒らせてしまったことがある。ぷかぷかの方たちの枠にはまらない接客は、様々な人たちの心をわしづかみにするのだと感じ、私もお客様を不快にさせない接客を考えてみようと感じた。

(高崎コメント:ぜひぷかぷかに来て、ぷかぷかさん達の接客を味わって下さい。ほっこりあたたかな気持ちになります)

●みんなで一緒にひとつのことに打ち込むことで、生きることを楽しんでいるのだなと思いました。ふつうに生活して生きている自分たちより、障がいを持っていても何かに打ち込んだり、楽しく働いている姿を見て、すごく見習わなければいけないなと思う部分が多くありました。

 私が思っていた障がいのある方の生活のイメージが、ぷかぷかさんの映画を見て、イメージが180度変わりました。

 高崎先生が言っていたように、接客をマニュアル通りにするよりも,ぷかぷかさんらしい接客をして、お客さんの気持ちをつかむというやり方は、他のパン屋さんではあり得ないと思うので、本当にフレンドリーでファミリー感のあるお店で、一度ぜひ行ってみたいなと思いました。

(高崎コメント:ぷかぷかはいつも帰りの会で、「いい一日でしたか?」という質問をします。いい一日を生きることが、いい人生につながると思うからです。ですから、ぷかぷかさんはみんないい人生を生きています。生きることを楽しんでいます。ぜひぷかぷかさんたちの人生を見に来て下さい。)

●私もバス、電車の中で障がい者の方がいると、目で追ってしまうことがある。人は人と違うところがあると、一緒になろうとしている部分がある。しかし、ぷかぷかの障がい者の方を見ると、一人ひとりに個性を生かし、それが魅力となり、みんな同じじゃなくてよいのだとあらためて思った。大学で障がいについての勉強を通してぷかぷかさんの活動を新しく知り、応援したいと思うようになった。

 私もバイトで接客の仕事をしている。 働いても接客は難しく、正解はないと思う。そんな難しい中でお客様(ファン)を増やしているぷかぷかはすばらしいと思った。

(高崎コメント:ぜひぷかぷかに来て、ぷかぷかさん達の魅力に直にふれてみて下さい。多分また新しい発見がありますよ)

 

f:id:pukapuka-pan:20181121015152j:plain

 

 ぷかぷかの映画『Secret of Pukapuka』を見ると、こんなにもたくさんの新しい発見があります。ぜひあなたの所で上映会を開いて下さい。上映に関するお問い合わせは

045−453−8511 高崎まで

メールは pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

 

その惨めさをぷかぷかさん達は、彼らのセンスで救った気がした

 第5期演劇ワークショップ第4回目です。

 「はやいはえらい 大きいはえらい、なんでもいいからいちばんにな〜れ」という、いわば「生産性の論理」を超えるものをぷかぷかさんたちと一緒に作り出したい、という思いで、今期、いろいろやってきました。でも、どうもうまくいきません。前回は「大金持ちになって一番になるにはどうしたらいいか」と、わかりやすいテーマを投げかけたつもりでしたが、大金持ちになることに興味を持つ人はほぼゼロでした。

 発表会まであと3回。そろそろ台本を起こさないと間に合いません。先日開いた進行サイドの打ち合わせでも名案は出ず、やむなく宮澤賢治の原作をそのままぶつけてみることにしました。原作は結構グロテスクな場面があって、みんないやがってしまうのではないか、と心配していました。

  

  ほらクマ学校の入学式の場面で、ウサギとカメのかけっこの話が出てきます。4チームに分かれて、どうしてカメはウサギに勝ったのかというお話を作りました。これが思いのほか楽しいお話がでてきました。

f:id:pukapuka-pan:20181118155610j:plain

 

 甲羅を脱いで、中身だけ走っていく、というコウキさんの案はすばらしいと思いました。ふだんの遅いカメは、みんなを欺く姿で、中身は実は早かった、というわけです。ウサギもまんまと騙された、と。

f:id:pukapuka-pan:20181118155819j:plain

 

 カメは泳いでいけばいい、というアズミさんの案は海の近くで干潮時をうまく使って勝つ、という案になりました。

 スクーターに乗って勝つ、という案はショーへーさんの案ですが、カメがスクーターに乗る、という突拍子もない案がいいと思いました。

 コンビニに寄らせて睡眠薬入りのコーヒーを飲ませる、というなんはきわめて人間くさくておもしろいと思いました。

 そういう前置きのようなお話作りがまずあって、午後、原作の台本をやってみました。台本を読むのは,なかなかスムーズに読めず、結構厳しいものがありました。

f:id:pukapuka-pan:20181118164012j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118164030j:plain

 

 でも実際に立って発表してみたら、思いのほか楽しい芝居になりました。

 なめくじはヘビにかまれたといってやって来たトカゲを,私がなめれば直ります、とかうまいこといってトカゲを溶かして食べてしまいます。でも、次にやってきたカエルに塩をまかれ、溶けてしまいます。

f:id:pukapuka-pan:20181118165038j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118165655j:plain

 

 カエルに塩をまかれ、ナメクジは溶けてしまいます。

f:id:pukapuka-pan:20181118170114j:plain

 

 ところがその溶けかかったナメクジが「助けて」というと、なんとナメクジにとかされたはずのトカゲの一部が駆け寄り、ナメクジを助けようとするのです。

f:id:pukapuka-pan:20181118171555j:plain

 

  こんなことは台本にはなく、優しいコンノさんが「助けて」の声を聞き、とっさに助け出そうとしたようでした。自滅するナメクジを助け出した、というか、なんと表現すればいいのか、一番になろうとして、結果的に自滅していくものに対して、こういう救いがあってもいいなと思いました。

 彼らは「生産性の論理」に対して、アーダコーダの批判はしません。ただ困った人が目の前にいれば、全力で助ける。ただそれだけです。

 

 タヌキは怪しい山猫大明神をまつり立て、「なまねこ、なまねこ、世の中のことはな、みんな山猫さまのおぼしめしのとほりぢゃ。おまへの耳があんまり大きいのでそれをわしにかじって直せといふのは何といふありがたいことぢゃ」と、うさぎの耳を食べ、足をかじります。ウサギは「あゝありがたや、山猫やまねこさま。おかげでわたくしは脚がなくなってもう歩かなくてもよくなりました。あゝありがたいなまねこなまねこ。」というのですが、これをななちゃんがやると、なんともおぞましい場面が、カラッと明るい感じで終わりました。

 次にやって来たオオカミには「わしはお前のきばをぬくぢゃ。このきばでいかほどものの命をとったか。恐ろしいことぢゃ。な。お前の目をつぶすぢゃ。な。この目で何ほどのものをにらみ殺したか…お前のあたまをかじるぢゃ。むにゃ、むにゃ。なまねこ。お前のあしをたべるぢゃ。なかなかうまい。なまねこ。むにゃ。むにゃ。おまへのせなかを食ふぢゃ。」と恐ろしいセリフが続くのですが、ヨッシーがいうと、なんともおかしい雰囲気になりました。そうやって全部食べられてしまったオオカミがタヌキの腹の中で「こゝはまっくらだ。あゝ、こゝにうさぎの骨がある。たれが殺したらう。殺したやつはあとで狸に説教されながらかじられるだらうぜ」というのですが、これもツジさんが言うと、悲壮感が全くないものになりました。

 これを見ながら昔教員をやっていた頃にやった芝居を思い出しました。沖縄をテーマにした芝居で、沖縄戦を語る場面。「明日の朝、あの村をこの大砲で攻撃する。あの村は全滅だぁ」と兵隊が言います。ところが兵隊をやった生徒の歩き方、いい方が、何度練習しても、なんともおかしくて、笑ってしまいました。台本では重苦しい場面が、生徒に救われたのです。

 それと同じことが起こったと思いました。

 ほらクマ学校を卒業した三人は、ほらクマ先生の言いつけを守って、それぞれ何が何でも一番になろうとがんばりました。その結果はいずれも自滅するという惨めな結果でした。生産性の論理に追われた人間が自分を見失い、自分をだめにしていくのと重なります。その惨めさをぷかぷかさん達は、彼らのセンスで救った気がしたのです。

 ミツバチたちはほらクマ先生に「なんでもいいから一番になれ」といわれるのですが、ただぶ〜んと飛び回るばかりで、全く乗ってきません。そして三人が自滅したあとも、自分たちのペースで相変わらずぶ〜んと飛び回っています。

www.youtube.com

 

 自滅した三人を見てほらクマ先生は

あゝ三人とも賢いいゝこどもらだったのにじつに残念なことをした」

と言いながら大きなあくびをします。

 

 そしてほらクマ学校の校歌をみんなで歌います。

 

♪ カメはのろまに 歩いて見せた ウサギだまされ昼寝した 

 早いはえらい 大きいはえらい 勝てばそれまで だまされたが悪い

 なんでもいいから 一番にな〜れ なんでもいいから 一番になれ 

 なんでもいいから 一番にな〜れ なんでもいいから 一番になれ

 

 最初に歌ったときと、多分聞こえ方が違います。その違いが、この芝居をぷかぷかさん達がやることの意味ではないかと思っています。

 来年1月27日(日)の午後にみどりアートパークホールで発表会です。ぜひ来て下さい。

 

 金沢から参加した方の感想

  今回のワークショップで感じたことは “誰の存在もないものにしない。されない。” というような感覚です。 そして、どこかに連れて行こうとするのではなく、ある一定の緩やかなフィールドを提示して、その中で “ なるほど。そいうのもありだね ” とか… “ いまのその感じいいね ” とか… 否定、不可、容認されないことがない…というか、 まず、そこにいる誰の存在も否定しない。というような安心感でした。 表出する言動をどうのこうのではなく、「みんなでワークショップ」名前の通りの場だった と思います。

 印象に残った場面は二つ。

 一つは、「うさぎとかめのお話」をみんなで作るワーク。 どんな方法で、かめがうさぎに勝ったのかを自分たちで考えたグループの発表は、 ・かめがスクーターに乗る ・かめは甲羅を脱いだら、実は速かった ・うさぎに睡眠薬をのませる ・ゴールの手前に波が来て、うさぎが渡れなくなる 自分の中には、いつの間にか、スクーターも睡眠薬も存在しない場面設定が出来上がってい たことに気づかされました。確かに、現代だったらスクーターもあるし、かめは本当は速いんだという可能性があったっていい。 そこに裏付けとか、根拠とか、いつの間にかできてしまっていた先入観とかが存在しない面白さがありました。

 もう一つは、「台本をよんで演じる」ワーク。 ナメクジに食べられてしまったはずのトカゲ役のぷかぷかさんが、ナメクジ役のぷかぷかさんがピンチになって 「たすけて~...。」 とアドリブで言うと、 「いいよ~。」 と言って、手を差し伸べた場面。 気持ちがほっこり耕されたようでした。 “生産性のない人が社会に必要な理由” ということで高崎さんが話されていたこと、なぜ自分がダンスを続けているのか。というこ と “心を耕す” やっぱりこれなんだな~。と感じました。 知らず知らずのうちに、固まっていた自分の心も耕してもらえたようです。

f:id:pukapuka-pan:20181118214655j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118214658j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118214502j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118214755j:plain f:id:pukapuka-pan:20181118214411j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118214918j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118235841j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181118235930j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181119000026j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181119000241j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181119000353j:plain

創英の学生さん達が、ぷかぷかさんたちを呼んでクリスマス会やることに

 今日も創英大学の学生さんが体験実習に来ていました。アート屋わんどで絵を切り抜いていたので「何をやってるんですか?」と聞いたところ「クリスマスツリーの飾りです」の返事。ぷかぷかが作るクリスマスツリーの飾りに使うようでした。

 「だったら今度一緒にクリスマス会やりますか」「ああ、いいですねぇ」

と、思いつきでいってみました。この時は、ぷかぷかがクリスマス会を企画して、それに創英の学生さんが参加するイメージでした。

 どうせやるなら企画段階で創英の学生さんに入ってもらった方が、おもしろいだろうと思っていたのですが、ちょうどこの写真を撮ったとき、

f:id:pukapuka-pan:20181115174658j:plain

 学生さんに全部任せた方がいいな、と思い、

 「クリスマス会の会場を創英でやることにして、企画から運営まで全部創英の学生さんでやるのはどうですか?」

と提案したところ、

「ああ、いいですね、やります、やります」

と浮き浮きした返事。

 創英でやれば、ほかの学生さんにも声かけられるし、「ぷかぷかさんが好き!」っていう人がもっと増えることになる。企画段階でFacebookで、こんなこと考えてますって発信すれば、一緒にやりたい!っていう人はきっと出てくると思う…と話がどんどん盛り上がり、ちょうど創英の先生も来たので、クリスマス会の話をしたら、

「いいですね、やりましょう」

と一発返事。学校との調整をやってくれることになりました。うまくすれば装飾にかかる費用なんか、学校が出してくれるかも、という話も。

f:id:pukapuka-pan:20181115175631j:plain

 

 学校のスケジュールなどを確認し、12月17日(月)の2時半頃からに決定。場所はプレイルーム。今までにない斬新な企画を立てよう、というところまで話が決まりました。

 というわけで、朝の思いつきのクリスマス会の話が、創英でぷかぷかさん達を呼んで一緒に楽しいクリスマス会をやろう、という話に一気に発展してしまいました。

 

 実は先生が来る前、12月8日の神奈川県主催の共生社会実現フォーラムにヒカリさんがパネラーとして出るので、フォーラム担当者から質問が来ていてそれを学生さんと一緒に考えていました。

 

質問1:「自身の描く「共生社会」とは?(ご自身の背景を含めて説明してください)」

質問2:「共生社会の実現に向け、現状を踏まえてどんな意識を持ち、どんな行動を起こしていきたいか?」

 

  • 自分のできる事、絵を描く似顔絵を描くなど知り合うきっかけにしたい  
  • 障害者に対する一方的な決めつけをしない。
  • いい人も悪い人もいる。それは障害にある・ないは関係ない。
  • 障害のある人の方から訴えなければいけない社会は情けない。
  • もっと面白くて明るい社会になれば良いのではないでしょうか。
  • 私たちの個性を発見して認める社会であってほしい。

というような話が出ました。

 でも、「共生社会」という言葉自体が硬くて、ましてそれに向けて、「どんな行動を起こしていきたいか?」なんて聞かれても、なんかすごい大変なことをやらないといけないような感じがあって、話はあまり盛り上がりませんでした。

 

 ところがクリスマス会の話になると俄然話が盛り上がって、日程まで決まってしまい,学生さんはクリスマス会の企画にわくわくしています。

f:id:pukapuka-pan:20181115182526j:plain

f:id:pukapuka-pan:20181115220524j:plain

 

 この差はなんなんだろうと思います。

 やはりぷかぷかさんとの楽しいおつきあいがあって、クリスマス会の話が出てきた、というところが大きなポイントだと思います。

 「共生社会」だの「それに向けての行動だの」という言葉だけでは、人は動かないのです。ぷかぷかさんとの楽しいおつきあいこそが、学生さんの背中を押しているのだと思います。

 クリスマス会の企画を進めることになった学生さんは、今日初めて体験実習でぷかぷかに来た人たちです。先週月曜日にぷかぷかの映画を見て、私の話を聞き、今週月曜日に「すごろくワークショップをやり、今日初めてぷかぷかにやってきた学生さん達です。その学生さん達がこんなに盛り上がっているのです。この変わりようがすごいと思います。

 これからどんな風に企画がふくらんでいくのか、それに向けて学生さん達がどんな風に変わっていくのか、すごく楽しみです。

 

 「ともに生きる社会」とか「共生社会」に向かって、何が本当に社会を変えていくのか、「ともに生きる社会かながわ憲章」を掲げている神奈川県は、戦略を立て直した方がいい気がします。

 

県の回答の100倍くらいいい文章

 川崎の和希君がふつうの小学校でみんなと一緒に勉強したいという希望に対し、市教委、県教委が特別支援学校へ行くように指導し、それはおかしいじゃないかと裁判になっています。神奈川県は市教委、県教委の判断は妥当であるとしたことについて、「ともに生きる社会かながわ憲章」まで制定した神奈川県が、障がいのある人たちの社会参加の壁になるのはおかしいのではないか、と質問したところ、神奈川県教委から、およそ誠意のない回答がありました。その回答をブログにアップしたのですが、

pukapuka-pan.hatenablog.com

下記のような書き込みがありました。

●●●

こう言う人たちは「ともに生きる」を体験したことがないから本当のインクルージョンが何なのかわからないんでしょうね。

●●●

 全くその通りだと思います。ともに生きることのぬくもりのようなものを、経験したことがないのだと思います。

 先日いただいた県からの回答には、人の心に届く言葉が全くありませんでした。小むつかしい言葉が並んでいるだけで、和希君のお母さんが裁判で述べた言葉に比べると、中身のない空疎な言葉です。回答を書いた人は本気で書いたとおりのことを思っているのかと思いました。

 

 「ともに生きる社会かながわ憲章」も、相模原障害者殺傷事件を受けて作られたもので、それなりの意味はあると思いますが、丁寧に読んでみると、事件を受け、どうして「ともに生きる社会」なのか、といった一番大事な部分が書かれていません。

www.pref.kanagawa.jp

 

 いいことがたくさん書いてあるのですが、どこか言葉が上滑りしている感じです。「ともに生きる」ことのリアリティが感じられないのです。多分そういう経験のない人が書いたのだと思います。だから、どうしてともに生きる社会なのか、がはっきりしないのです。

 聞こえのいい言葉だけ並べても、ともに生きる社会なんて実現できません。「ともに生きる社会」に向けて、みんなの背中を押すような力強い物語が必要なのだと思います。

 

 12月8日(土)には神奈川県主催の「共生社会実現フォーラム」があるのですが、「共生社会実現」だなんて、言葉ばかりやたら勇ましくて、なんだかなぁ、という感じです。こんなこと言って実現できなかったら、どうするのでしょう。言葉だけならやめた方がいいです。信用されなくなる、というよりも、共生社会ってそんなものだとみんな思ってしまうことが残念です。

 

 「ともに生きる社会」を作っていくことに異論はありません。でもそれを言うならまず自分自身が身近なところにいる障がいのある人たちと丁寧におつきあいすることが大事な気がします。そしてともに生きることのよさを実感する。そこからが本当のスタートだと思います。

 昨日ぷかぷかさんとすごろくワークショップをやった学生さんの感想にこんなのがありました。

●●●

ぷかぷかさんと一緒にすごろくをしましたが、私たちが抵抗してしまうようなことも自然体で堂々とやるぷかぷかさんの姿に、むしろ私の方が恥ずかしがって出来ないなんて損しているなと思うと共に、自由に遊ぶぷかぷかさんの楽しそうな姿に癒されたり、緊張をとかされたり・・・自然と私まで楽しく遊んでしまいました。まだぷかぷかさんと関わるようになって時間は短いですが、ファンになりつつある自分がいて面白く思っています。

www.youtube.com

●●●

 

県の回答の100倍くらいいい文章ですね。

 

f:id:pukapuka-pan:20181113005554j:plain

 

 ぷかぷかはこの創英の学生さん達と、何か面白いことを一緒にはじめようかなと思っています。ここから「ともに生きる社会」の新しい物語が始まります。「共生社会実現」なんて力まなくても、その気になれば、「ともに生きる社会」はどこにでも簡単にできるのです。